11月30日に行われたサンパウロ総合大学及びサンタカーザ大学医学部入試(Fuvest)の設問において、「大サンパウロ都市圏の水不足は環境的、政治的要因によってもたらされた」と断言していた事を12月1日付けの伯字各紙が報じている。
サンパウロ州での水不足の原因を問う選択形式の問題において、正解は(「環境的要因と政治的要因」―貯水池の水位回復は自然要因と政府の水資源利用計画にかかっている)と発表された。問題文は今年の3月17日付エスタード紙から引用されており、今の水危機は1953年の歴史的干ばつの時より深刻であるとしている。
このテーマは今年の統一選挙でも争点としてとりあげられており、サンパウロ州知事選の対抗候補者達は、現職のアルキミン知事(民主社会党・PSDB)の失政だと批判したが、現職側は「想定を超える」歴史的渇水が起きたとしている。
サンパウロ州政府は取材に対し、大学側にはFuvestの問題を自由に作成する権利があり、問題文に対してはコメントしないと発表した。
受験教育機関「エタパ」のコーディネーターであるマルセロ・ジアス・カルバーリョ氏は、Fuvestがサンパウロ州の水危機を扱ったことは特筆に価するとし、「今年の入試問題で水危機が取り上げられたのは初めてだ」と述べた。
教育関係者達は今回の試験は特に物理と数学が難しかったとし、「受験者に受験科目をしっかりマスターする事を要求する内容で、ヤマを張ることは通用しなかった」と述べた。学生達の印象も同様で、「人文科学は簡単だったけど、数学は話したくもない(ほど難しかった)」とジャーナリズム志望のナヤラ・ナシメントさん(17)は語った。
一次試験の結果は12月22日に発表され、合格者は来年1月4日~6日に二次試験に臨む。