先週から降り始めたが、サンパウロ市民800万人の〃水瓶〃カンタレイラ水系の水は圧倒的に足りない状況だ。現在は底水のさらに底、第2水域からくみ上げている▼専門家は「1枚目を返さないうちに、シェッキ・エスペシャル(特別小切手)の2枚目を切っているのと同じ。元金を返すどころか、利子払い(環境破壊)だけでヒドイことになる」と警告する。人の飲み水のために、川底までくみ上げて生態系を破壊している▼某連邦下議の補佐官から「今年初めまで6千レアルで井戸を掘ると売り込んできた同じ業者に、最近値段を聞き直したら4万レアルと言うから驚いた」と聞いた。水不足が続くと見込んだ先見性のあるレストラン等の企業家から続々と頼まれ、引く手あまたになっているので、井戸掘り料金が高騰しているとか▼サンパウロ市内でもあちこちで事実上、夜間断水している地域がある。件の補佐官は「PSDBの政治家は絶対に公には言わないけど、仲間内では足りなくなると皆断言している」と漏らす。アウキミン州知事は選挙前「断水は絶対にない」と断言していたが、選挙後ようやく水道局責任者が「水不足」を認めるようになった▼専門機関は数年前から水不足になる可能性を警告しており、為政者が対策を後回してきたことによるツケ、政治的失策が今現れている。「飲み水がなくなる」だけでなく、農業生産物、工業生産にも直結する。水力発電にも頼れなくなることを意味するから電気代も上がる▼料理、お風呂、トイレ、植木の水遣りもそうだ。シャワーや皿洗いにしても流しっぱなしは禁物。一人一人が水を大事にすることから対策は始まる。けっして人事ではない。(深)