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物流インフラの弱いブラジル=たった2年で道路にガタ

 国庫庁(TCU)が11月26日に承認した報告書によると、マット・グロッソ州(MT)~パラー州(PA)間の国道163号線では、2年間でアスファルトがダメになった所があると11月29日付フォーリャ紙が報じた。
 問題の区間はMTルーカス・ド・リオ・ヴェルデ~PAミリチトゥーバ間の1100キロ余で、09年に始まった舗装工事には18億レアルが投じられてきたのに、未だ完成しきっていない。この国道は、MTで生産された大豆を北部に運ぶための幹線道の一つだ。
 TCUは、国道整備計画の立案や工事の進捗状況管理などを行う輸送インフラ局(DNIT)に、工事担当者に道路修復か欠陥工事の賠償を求めるよう勧告した。TCUによると、欠陥が指摘された部分の工事は九つの契約に基づくもので、516キロに及ぶ道路整備契約の予算額は8億2200万レアル。9件の工事は未完成または終了から2年以内だという。
 TCUは、当該区間の車の走行量は当初の見積りの40%程度なのに、短期間で舗装がダメになり、事故の原因ともなっている事への懸念を隠さない。DNITは、欠陥が生じたのはアスファルトの質が悪いためで、昨年以降、工事を担当した業者に罰則を科すための手続きを始めている。
 TCUでは大豆の輸送に使う川では水運関係や水力発電所建設でも問題があるとし、タパジョー川ではダム建設後の船の走行に関する具体的な計画が示されていない事などを指摘している。