サンパウロ市では運行されるべきバスの10分の1が実際には運行されていないのに、運行会社はなんの罰金も受けていないことが判明したと4、5日付のフォーリャ紙が報じている。
この事実は、フェルナンド・ハダジ(労働者党・PT)サンパウロ市長が市内の公共交通機関の実状を精査するために400万レアルを投じて行った調査で明らかになった。
調査によると、サンパウロ市南東部の運休がもっとも多い。同地域を担当するVia Sul社の運休率は23%で、サンパウロ市全体の運休率の倍以上だ。Via Sul社は4日現在、フォーリャ紙の問い合わせに答えていない。
運行バス会社の勝手な運休を見逃さないようにするには現行の監視システムと罰金の仕組みを見直さなくてはならず、サンパウロ市では、2015年に行う公共交通の入札に電子監視システムを組み込む予定だ。
バス会社組合であるSPUrbanussは、本来運行されるべきバスの10・5%が運行されなかったことの責任はサンパウロ市側にあるとした。「運行を妨げている渋滞や壊れた信号、冠水は誰のせいだ? 俺たちか? 冗談じゃない!」と組合長のフランシスコ・クリストヴァン氏は言った。
同氏は続けて、バス会社は所有する全車両を運行させており、計画通り運行できないのは渋滞のせいだとした。
バス会社の訴える運行を妨げる要因について聞かれたサンパウロ市交通局長のジルマール・タット氏は問題を認識し、「事故やデモ、渋滞があることは分かった。この報告書を元に、同じ問題が起きないよう、何とか落としどころを探っていこう」と語った。
来週発表される調査会社の最終報告の中には、各バス会社の利益、税制状況のデータも含まれることになっており、それらを元にバス料金改定のための議論が行われる。