マラニョン州セナドール・ラ・ロッキ市の判事マルセロ・バルドッチ氏が6日(土)夜、同州インペラトリス空港のTAM社チェックインカウンターの職員3人に「刑務所行きだ」と暴言を発していたことが分かった。9日付伯字各紙が報じている。
係員の供述によると、判事は同社の飛行機の搭乗手続き終了後に空港に着き、同社職員に搭乗を拒まれて逆上し、職員達に「お前達は刑務所行きだ」と暴言を発した。
3人の同社職員達はインペラトリス市の市警本部に送られ、取り調べの後釈放された。判事は事情聴取には応じず、別の便に乗った。今回の件はインペラトリス市第3区警察署によって調査される予定だ。
TAM社は文書で「法令の定める搭乗手続きに則っており、当局の求める調査には全面的に協力している」と述べた。
ブラジル司法官協会(AMB)会長のジョアン・リカルド・コスタ氏は「今回の件はブラジル判事としてあるまじきふるまいであり、同協会は市民と憤りを共有する。同協会はいかなる形の公権力の濫用も容認することは出来ない」と述べた。
バルドッチ判事は2008年にも、同氏の所有する農園で25人の労働者を劣悪な環境で働かせていた事を労働省に告発され、雇用者ブラックリストに載ったが、同件の取調べは同判事の職権によってうやむやにされ、奴隷労働などは無かったとして棚上げされた。翌年のリストでは同判事の名前は消されていた。
先月もリオ市で、2011年に交通違反の判事を取り締まった交通取締官が、「俺を誰だと思っている。判事だぞ」と叫んだ判事に「判事は神ではない」と言い返したため、「お前など刑務所行きだ!」と宣告されて職権濫用の罪を被るなど、判事のモラル低下傾向が見られている。