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サンパウロ州検察が11社を起訴=鉄道保守契約の談合疑惑で=三井物産などの解散も要請

 サンパウロ州検察局が4日、パウリスタ都電公社(CPTM)の車両の購入と保守に関する契約で談合が行われていたとして、企業11社とCPTM現総裁らを起訴したと5日付エスタード紙や各紙サイトが報じた。
 州検察局が鉄道のメインテナンス契約に絡む不正で起訴に至ったのは2件目だ。最初は今年8月に地下鉄1、3号線の車両98台を巡る疑惑に関し、企業11社と地下鉄の元理事3人に、賠償金24億9千万レアルの支払いを求めたものだ。
 今回の対象は、CPTMの車両(2000、2100、3000の各シリーズ)の購入と保守に関する契約にまつわる疑惑で、4億1800万レアルの返納と10社の解散が要請された。
 4日付エスタード紙や各紙サイトによると、連邦警察がまとめた調書では、1998~2008年に結ばれた地下鉄とCPTMを含む鉄道に関する契約では、談合や贈収賄その他の犯罪行為が行われた事が明らかで、33人が関与したという。この調書は1日に連邦裁判所に提出された。
 サンパウロ州検察局によると、連警がいう33人は公務員や闇ブローカー、多国籍企業役員などを含む企業家などで、罪状は、贈収賄、公金横領、組織的犯罪、資金洗浄、不正入札などだ。検察側は、鉄道疑惑の被害者は鉄道の利用者と地下鉄、CPTMで、水増し額は最大で契約額の30%、公庫の被害額は8億3400万レアルに上るとし、4日に、CPTMの車両3シリーズに関する不正疑惑について、11社とCPTMを起訴した。
 鉄道疑惑に関与したとされる企業は、情報提供者でもあるフランス企業シーメンスを筆頭に、ドイツのアルストン、Cafブラジル、Cafスペイン、TTrans、MGE、ボンバルジエル、テジョフラン、テモインサ、三井物産、MPE。不正に得た収益の返納を自発的に申し出たCafスペインを除く10社には解散要請も出ており、裁判の行方次第で今後の活動にも影響が出る。
 鉄道疑惑で最初に世界的な調査対象となったのはアルストンで、1997年に始まった調査では11カ国での疑惑が指摘されている。
 シーメンスもブラジルを含む国々での汚職に関与しており、2007年に役員らを更迭。08年に同社職員の一人がサンパウロ州と連邦直轄区の地下鉄並びにCPTMを巡る汚職に関する供述を行った事で、11年に同社ブラジル社長が更迭された。
 ブラジルでの捜査は13年に同社がブラジルの経済貿易行政審議会(Cade)に情報を提供した事で進展を見、サンパウロ州検察局も4日、今年2度目の起訴に至った。Cadeでは現在、サンパウロ州とリオ州、ミナス州、南大河州並びに連邦直轄区での不正に関する調査が続いている。