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チョコレートの生産は?=カカオ減産で懸念広がる

 チョコレートの原料であるカカオの生産が落ち込み、生産者や甘い物の好きな人の間で懸念が広がっている。
 世界でも大手のチョコレート会社が製造不能になるのではと言い始めるほどの危機的状況は、エスピリトサント州最大のカカオ産地、リニャレスなどを見るとよく判る。同州では、カカオの木が病気となり、一時は年間1万4千トンを誇ったカカオの収量がほとんどゼロとなっているのだ。
 農夫のパウロ・ゴンサウヴェス氏は、カカオ減産の要因として、気象条件と脱農、不安定な価格を挙げている。自分も工場を持つパウロさんは既にカカオ不足に対処する準備を始めており、「作付面積を広げ、畑を再生させている。チョコレートは健康にも役立つ機能性食品だが、消費者は今後、今より高い買い物を強いられるようになる」という。
 「カカオの生産コストはとても高いのに価格が不安定で、採算が取れなくなる事もある」というのはシェルシェス・カリマンさんだ。「作付面積はどんどん減り、生産を諦める農家もたくさん出るだろう。その内にカカオは市場から姿を消すはずだが、大手メーカーはそんな事にはお構いなしだ。将来は製品価格が上がり、わずかな消費者しかチョコレートを味わえなくなる」という。
 近年流行している「魔女の箒」という病気は実や花がダメになるため、収量が目に見えて落ちる上、木そのものを損なう可能性もある。
 カカオ生産に40年以上携わって来た、カカオ農業計画実行委員会の農業技師、パウロ・シケイラ氏は「チョコレートがなくなるとは思えない」とし、エスピリトサント州でのカカオ生産についても、「1975年の1万4千トンには及ばないけど、2020年の収穫は1万トンに回復する」との見解を示した。
 同氏によると、生産の回復は全て農家次第で、病虫害に強いタイプの品種に切り替え、灌漑をきちんと行う、カカオとゴム、椰子、木材用の樹木と言った採算の採りやすい木と共生させて栽培するといった工夫を施せば、生産コストや気候変化といった問題にも対処できるはずだという。(9日付G1サイトなどより)