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料理研究科の中南米食文化紀行=コロンビアなら鶏肉

グルメクラブ

10月31日(金)

 南米大陸を旅して思うことがある。ブラジルと並んで陽気な国はコロンビアではないか、と。
 麻薬、誘拐というイメージは確かにある。地方に行けば政府軍とゲリラが対立しているが、ラテン音楽サルサの都とされる第二の都市カリにはディスコテカが道端にずらりと並んでいるのをみる。
 海に近いカリではエビやムール貝のシチューのようなものが食される。しかし、全国的な料理といえばバンデハ・パイサだろう。豆の煮物、ソーセージ、豚の皮の揚げ物、焼肉をご飯に乗せたもので田舎では常食されているようだ。
 どこでも鶏肉がうまい。とりわけジャガイモ、トウモロコシと一緒にスープにしたアヒアコ・デ・ポジョは絶品。路上の屋台ではエンパナーダをお薦めしたい。アボガドなどをベースにしたソースが五種ほど揃い、飽きない。
 ビールに合う揚げ物が多いのも特徴だろう。変わったところではバナナを潰して煎餅状にしたプラタナ・フリットや、キャッサバを原料にしたお餅のようなアレパがある。アレパはチョリソと一緒にどうぞ。
 花や熱帯フルーツが豊富だ。種類の多さは南米一ではないか。ジュースでよく飲まれるのはモレ(桑の実)。
 コーヒーの名産地でもある。依然、手で摘まれている。だからこそ損なわれない風味がある。布で二回漉して飲む風習がある。
 派手な料理は少ない。レイトン(子豚の丸焼き)にご飯を詰めたような料理もみかけたが、黄金伝説が残る国のわりには、総じて素朴といえよう。