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成人の4割に慢性疾患=精神疾病の治療も課題

 ブラジル地理統計院(IBGE)が10日にブラジル健康白書2013を発表し、ブラジル人10人に4人は少なくとも一つの非感染性慢性疾患(ブラジル人の死因の70%を占める高血圧・癌・糖尿病・うつの総称)を持っていることが判明したと、11日付エスタード紙が報じている。
 18歳以上のブラジル人1億4630万人のうち、5750万人は少なくとも一つの慢性疾患を患っているという。慢性疾患を患っている人の多くは、アルコールの過剰摂取、果物や野菜の摂取不足、出不精、運動不足、喫煙等の不健康な生活習慣を持っている事も調査によって判明した。
 「我々はブラジル人の平均年齢が伸びているという情報を既に得ていたが、ブラジル人の疾患の傾向も変わってきている。ブラジル人の死因の73%は非感染性の慢性病であることが明らかになった」とアルトゥール・シオロ保健相は述べた。
 高血圧は心臓・血管障害の重要なリスク要因であり、成人人口5人に1人に当たる3130万人が高血圧と診断され、その内の14・1%は入院加療も受けている。
 心臓・血管障害の別の重大リスク要因はコレステロール値の増大で、成人人口の12・5%はこの問題を抱えている。
 糖尿病患者は6・2%だが、成人人口の11・5%は血糖値検査をした事が無く、潜在的な患者は相当数いるはずだ。
 うつで苦しむ人は1100万人で、その割合は都市部の方が農村部より多く、南東伯と南伯は他地域より多い。うつと診断された人は46・4%しか医師の治療を受けていない。調査によると、女性は10人に1人、男性は25人に1人がうつと診断されている。
 国家健康白書責任者のマリア・ルシア・ビエイラ氏によると、女性のうつ病患者が男性より多い傾向は従来通りだ。その理由は女性の方が医者に多く通うからで、「男性は精神的に参っていても我慢して乗り越えようとし、病院に行こうと考えない」と同氏は語った。