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1月から電気代値上り=火力発電多用の負担増で=年次調整とは別枠で徴収へ

 全国的に水不足が叫ばれ、火力発電所の稼働率が高まる中、1月からは火力発電所の稼動状態に従って電気料金を調整するシステムが導入されると10日付フォーリャ紙などが報じた。
 1月に導入されるのは、火力発電所の稼働状況に従い、電気料金の請求書にバンデイラ・ヴェルデ(緑)とかアマレラ(黄)、ヴェルメーリョ(赤)と記載、緑の時は通常料金のままだが、黄の時は100キロワット時毎に1・5レアル、赤ならば100キロワット毎に3レアルを追加徴収する方式だ。
 この方式は、水量発電所のダム貯水量確保のために火力発電所を稼動させる事でかかる経費を消費者に負担させるための措置だ。火力発電所を稼動させると重油や天然ガスなどの燃料費その他の経費がかかり、電力の買い取り価格が高くなる。
 今年の場合、南東部/中西部、北部、北東部の4地域では1月が黄、それ以外は赤、南部の場合は1月と7月が黄でそれ以外が赤だったが、今年は火力発電所稼動に伴うコスト高分を電力料金に反映させる方法が導入されておらず、配電会社が電力を買い取る時の負担増額分は、国庫からの補助金や銀行からの融資などで賄われてきた。
 補助金や融資で賄いきれず、配電会社が供給会社に対して抱えている現在の負債額は推定30億レアルだが、新システム導入によって1~2月に生じる増収額は16億レアル。残りの14億レアルは政府がカバーする方法を探す事になる。
 政府側は当初、この方法で1~2月に火力発電所を稼動させる事によって生じるコスト増を賄えると考えていたが、現実には現在抱えている負債の分もカバーできず、1~2月に生じるコスト高分は年次調整でカバーする事になる。
 1月以降の電力料金には更に、配電会社がこれまでに受けた融資の178億レアルと国庫から支出した約100億レアル分を払い戻すための調整分が上乗せされる。銀行などへの融資返済分は15~16年に、国庫への返済分は14年から5年間で調整される。
 消費者にとって更に気がかりなのは、10日付エスタード紙が報じた、イタイプー発電所の電力買い取り料金が15年から46・14%上がり、キロワットあたり38・07ドルになるという情報だ。同発電所から電力供給を受けている南部、南東部、中西部の消費者には最低12%の負担増が求められるという。
 配電会社が徴収する電力料金の年次調整の時期は各社毎に違うため、イタイプー発電所の電力買い取り価格値上り分を年頭に一斉に臨時調整する特別措置をとるよう要請する動きもあり、消費者の懐を更に圧迫したり、インフレを押し上げたりする可能性は強い。