中央銀行が15日、10月の経済活動指数(IBC‐Br)は9月比で0・26%落ち込んだと発表し、2014年の国内総生産(GDP)はゼロ成長で終るとの見方が市場に広がったと16日付伯字紙が報じた。
IBC‐BrはGDPの推移予測につながる指数で、市場関係者も10月は回復すると期待していた。ところが、10月の指数はマイナス、9月までの指数も7カ月分が下方修正され、今年の累計はマイナス0・1%、昨年同月比ではマイナス0・12%となった。
IBC‐Brが前月より落ち込むのは今年5度目。0・26%マイナスとの数字は、10月としては2011年の0・48%マイナスに次ぐ悪い結果だ。市場では今年のGDP成長率を見直す動きが相次ぎ、0~0・16%の伸びで終るとの見方が広がった。
IBC‐Brが落ち込んだ最大要因は、建設資材の1・1%マイナスなどの工業の不振だ。工業生産全般は9月とほぼ同水準だが、昨年同月比では3・6%マイナス。自動車なども含む拡大小売り額は、工業製品税(IPI)減税終了前の駆け込み需要もあってか、9月比で1・7%伸び、関係者を喜ばせた。
ただ、景気回復への期待感は今一つで、企業家対象の調査で将来を楽観視した人は50・3%のみ。この数字は第3四半期の46・9%より改善したが、企業家達は雇用と投資の伸び悩みを懸念材料に挙げている。
現時点での雇用創出の予想は、前回調査の4・8%増から0・4%増に縮小した。これは不況の影響が雇用にも及び始めたとの認識を反映しており、一時雇用も余り増えない見込みだ。投資に関しても、1~7%増との見通しが4・4%減と大幅に下方修正された。
投資の落ち込みは公・民共通の懸念事項で、国際的な信用格付会社も、投資を行わない国では経済の回復や発展は困難と発言している。
信用格付という面から見ると、15日のサンパウロ証券市場の指数を引き下げた最大要因のペトロブラス(PB)の株価の動きも気がかりだ。
PBの株価は9・2~9・94%下落し、表決権なし優先株が9・18レ、議決権付記名普通株は8・52レで引けた。これは、国際的な原油価格下落やドル高、PBが12日に第3四半期の決算報告を再延期したのが原因だ。これは、外部監査を行う会社がラヴァ・ジャット作戦で摘発された汚職に関する内部調査が終らなければ監査を行わないと主張し、正式な決算報告ができないためだ。投資家の間ではPBの経営状態や汚職被害などに対する懸念が拡大。表決権なし優先株は9月2日に24・56レを境に急落。年頭の15・75レ比でも43・58%値下がりしている。
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