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2014年のEnem初日(リオ連邦大学にて、Tomaz Silva/Agência Brasil)
2014年のEnem初日(リオ連邦大学にて、Tomaz Silva/Agência Brasil)

社会階層と成績が相関?=Enemの結果発表される=上位に占める公立校数増加

 国立教育研究院(Inep)が22日に13年度のEnem(国家高等教育試験)の結果を発表し、社会階層が同じだと公私を問わず同程度の成績をとっている事や、上位10%に占める公立校の割合が少し増えた事などが確認されたと23日付伯字紙が報じた。
 この試験は高校3年生以上が対象で、連邦大学の入試やその一部として使われ始めた09年からは受験生が増えている。
 学校別の成績では、サンパウロ市のオブジェチーヴォ・インテグラードが5年連続1位。2位はミナス州ベロ・オリゾンテのベルノウリ(ルーデス校)、3位はリオ市のポント・デ・エンシーノだった。上位10位にはミナス州4校、サンパウロ州とリオ州各2校、ピアウイ州とセアラ州各1校が入った。
 公立校トップはミナス州ヴィソーザのヴィソーザ連邦大学付属校の12位、その次はレシフェのペルナンブコ連邦大学付属校の48位となる。
 高校3年生が10人以上おり、その半数以上が受験した学校は1万4715校で、成績上位の1472校(10%)中107校(7・3%)は公立校だった。エリート校中の公立校は前年の6・6%より増えた。
 私立校の平均点は553・68点で、公立校の449・05点と差が大きいが、社会階層が高いと私立校570・13点に対し公立校550・67点、中程度は502・74点と480・77点、低い場合も452・66点と449・05点となり、公私の別より社会階層による差が大きい事が判明した。上位1472校だけ見ると、社会階層が高いか非常に高い(家庭収入が7最低賃金以上、親の学歴も大卒以上)家庭の生徒がいる学校が95%(公立校だけだと76%)あった。
 ただ、社会階層が低いグループで成績がトップだったミナス州立のペドロ・テイシェイラのように、昼間は畑で働いて夜学ぶという環境の中で546・56点(3827位)をとり、出席率も抜群の学校もある。同校では昨年、Enem受験者10人中6人が連邦大学に進学した。
 受験生の成績には、親の学歴や文化的な素養も影響する。サンパウロ総合大学のパウラ・ロウザノ氏によると、所得や親の素養などの家庭的要因が成績に与える影響は7割に及ぶ。私立校は授業料を払える、入試に受かるという2段階の選抜もなされるため、成績も公立校より良い例が多い。
 サンパウロ州の高校は3005校がEnemに参加し、上位10%に28校(32%)が入った。平均は514・02点(公立499点、私立563・48点)と高いが、09年の36%より比率が落ちた。同州の公立校1位のカンピーナス大学付属校は116位、2位のサンパウロ技術校(Etesp)は121位だった。