インフレが上限突破か=IPC‐Sでは6・87%=今年も6・56%との声も
ジェツリオ・ヴァルガス財団(G+FGV)が5日、週間消費者物価指数(IPC‐S)に基づく2014年の年間インフレ率は6・87%だったと発表したと5日付各紙サイトが報じた。
IPC‐Sは、ベロ・オリゾンテ、ブラジリア、ポルト・アレグレ、リオ、サルバドール、サンパウロの主要7都市での毎月の小売価格を、7日、15日、24日、30日(31日)の4回測定して算出する。対象となるのは最賃33倍までの家庭で、各都市の比重は人口によって決まる。FGVによると、12月31日現在のIPC‐Sを基に年間インフレ率を算出した結果、2014年の物価上昇率は6・87%だったという。
値上りしたのは、電気代14・74%、外食費8・84%、保健プランや健康保険8・74%、アパートなどのコンドミニオ(共益費)7・94%、家賃7・74%。値下がりしたのは電話代の3・2%や食品類(マンジョッカ粉26・36%、トマト5・24%、バナナ・プラッタ4・68%、ロングライフ牛乳3・57%)などだった。
政府の公式インフレ指数は国内11都市で最賃の40倍までの家庭を対象として計測される広範囲消費者物価指数(IPCA)のため、IPC‐Sが6・87%となった事はIPCAが政府目標(年4・5%+-2%)上限の6・5%を突破した事と同義ではない。だが、ジウマ大統領が1日の就任演説で第1期政権でのインフレ率は常に政府目標の範囲内だったと強調したにも関わらず、インフレ抑制は決して充分ではなかった事を示す数字の一つとしての意味は大きい。
5日には、中央銀行の市場調査Focusで、2015年のIPCAは政府目標の上限を超える6・56%に達するとの予想も発表された。この数字は前回調査の6・53%を上回っており、今年もインフレ抑制は政府の重要課題であり続ける事を明示した。
1月の電気料金は、火力発電所多用により100キロワット/時あたり3レアルの追加料金徴収が決まっており、政府統制価格は年間7・85%値上りとの予想も出ている。今月はサンパウロ市のバスや電車の料金値上げなどもあり、第2期ジウマ政権の経済スタッフには頭の痛い年となりそうだ。
Focusでは15年の経済成長率が、0・55%から0・5%に下方修正された。インフレ抑制の切り札の一つとされる経済基本金利(Selic)は15年末の時点で12・5%と予想されており、極端な引き上げはなさそうだ。公的負債は国内総生産(GDP)の37・5%に増える見込みだが、経常収支の赤字額は777億9千万ドルとの予想が770億ドルに下方修正された。