新年明けましておめでとうございます。
ニッケイ新聞の読者の皆さま、ならびにブラジルに在住される皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
私は、三重県とサンパウロ州が姉妹提携を結んで40周年を迎えた2013年8月に初めてブラジルを訪問しましたが、活気と魅力あふれるブラジルの方々とふれあい、とても楽しい時を過ごしたことを覚えています。 その際、たくさんの日系人の方々から、ビザ免除のご要望をいただきました。「ふるさとをより近くに感じたい」という日系人の皆様の熱い思いを感じ、何とかしなくてはとの思いから、帰国後すぐに、関係閣僚への働きかけや他の自治体首長との連携、全国知事会による提言など様々な形で取組を行いました。
この結果、昨年8月に、ブラジルの一般旅券所持者に対するマルチビザの導入が日本政府により決定されました。ビザ免除への最初のステップに、本県として微力ながら貢献することができ、大変嬉しく思っています。
さて、ブラジルからの訪日客は、喜ばしいことに、2012年に対前年の伸び率が73・9%を示すなど、近年増加傾向にあります。三重県も観光キャンペーンを実施するなど観光には力を入れておりますので、マルチビザ導入により、本県を訪問いただく方が今後さらに増えていくことを期待しています。
三重には、日本で最も格式が高く、日本人の心のふるさととも言われている伊勢神宮があり、ブラジルで日本を応援いただいている日系人の皆様にとっても、ご自身のルーツを感じていただける場所となっています。 そのほかにも本県には、世界遺産の熊野古道、忍者や海女、F1の鈴鹿サーキットなど素晴らしい観光名所が数多くあり、松阪牛や伊勢海老など日本を代表する食材の宝庫でもあります。来日の際には、是非一度三重にお越しいただければと思っています。
最後になりましたが、ブラジルにおける日系社会の益々のご発展と、皆様方の一層のご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
日本人の心のふるさと
お伊勢参りにいらっしゃい―。訪日のさい、東京方面から関西へと直行してしまう人も多いが今年は三重県に足を運んではいかがだろうか。日本人の心の古里・伊勢神宮、忍者の里・伊賀、夫婦岩のある二見輿玉神社、飼育種類数で日本一を誇る鳥羽水族館、世界に先駆け養殖を成功させたミキモト真珠島、F1が開催される鈴鹿サーキット、なばなの里と、見どころ満載だ。ブラジルから観光客を呼び込むPRに力を入れ始めた三重県の魅力をお伝えしよう。
【伊勢神宮】
正式名称は「神宮」。宇治の五十鈴の川上にある皇大神宮(内宮)、山田原にある豊受大神宮(外宮)の両大神宮を中心として、14宮の別宮、43の摂社、24の末社、42の所管社―。これら125の宮社の総称が「伊勢神宮」だ。
皇室のご祖神、天照大神をお祭りする日本でもっとも尊いお宮だ。2000年の時を超えた古代のたたずまいを感じてほしい。
20年に一度の遷宮(社殿を建て替える神様の引越し)を迎えた2013年は、過去最多で国民の1割以上となる1420万人が訪れた。日本人が皇室を敬愛し、日本を愛していることの証左だ。
【忍者の里・伊賀】
世界中で大流行のアニメ「NARUTO」の影響もあり、世界中から忍者ファンが訪れるのが『伊賀流 忍者博物館』。からくり屋敷や忍者ショーも楽しめる。体験館・伝承館では、実際に忍者が使った手裏剣など約400点が展示され、忍者の秘密に迫ってほしい。
なお、市内には築城400年を超える伊賀城もあり、歴史の重みが体感できる城下町の散策も楽しみたい。
【二見輿玉神社】
夫婦岩(めおといわ)は日の大神(天照大神)と興玉神石を拝むための鳥居の役目を果たしている。古来、男岩は立石、女岩は根尻岩と呼ばれていたが、いつの頃からか、夫婦岩と呼ばれるようになった。
夫婦岩の間、富士山頂からのご来光が拝める夏至の前後、夫婦岩の間より昇る月を見ることもる冬至には、満月の日には大勢のカメラマン、参拝者が訪れる。
【鳥羽水族館】
飼育種類数では日本最大の1200種(2013年5月現在)を誇る。生きものの種類や棲息する環境に合わせ、12のゾーンに分けられており、全長約240メートル、通路全長約1・5キロ。室内型水族館としては世界に比肩するものがない規模だ。
ジャングルワールドもあり、アマゾンの一日の天候を再現した水槽で、ピラルクーやペイシ・ボイなど、お馴染み? の姿も楽しめる。
オットセイのショーは多くあれど、セイウチショーが楽しめるのは、鳥羽水族館だけ。巨体が愛くるしい姿が子供たちだけでなく、大人でも楽しめること間違いない。
【ミキモト真珠島】
1893年(明治26)、御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功した島は今、国内外の来訪者に真珠の魅力を伝え続けている。
真珠の養殖方法、美術工芸品や歴史を感じさせる装身具の展示が楽しめる「真珠博物館」、品質保証のオリジナル商品を取り揃える「パールプラザ」ほか、白い磯着に身をまとった海女のショーも楽しめる。
【鈴鹿サーキット】
国際レーシングコースを中心としたレジャー施設。F1日本グランプリや鈴鹿(時間耐久ロードレースなどの開催で知られる。
遊園地やホテル等があり、モビリティリゾート(自動車を題材とする行楽地)を形成している。日本初の本格的サーキットとして、1962年に本田技研工業(ホンダ)によって建設された。
【なばなの里】
〃長良川の水辺の夢〃をイメージした「なばなの里」は一年を通して四季折々の花々が楽しめる。真っ赤に咲き誇るベゴニアガーデンを始めとし、冬にはイルミネーションが美しい。
ニッケイ新聞お勧めの宿泊先
【美杉リゾート】忍者の装いに身を包み、伊賀鉄道で忍者博物館に向かう趣向が外国人にも人気。最高級の松坂牛や、ホテルにある醸造所で作られる地ビールも楽しめる。(http://www.misugi.com/)
【奥伊勢フォレストピア】緑と清流の美しい大台町にある。天然温泉や各種体験施設を併設した山小屋風のホテル。なお、同町はお茶の産地としても知られる。(http://okuiseforestpia.com/)
【石鏡第一ホテル神倶良】伊勢湾が一望の露天風呂付きのアジア風の部屋がお勧め。地元の伊勢えび、あわびにこだわった創作料理が楽しめる。(http://ijikajyo.com/)