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渦中のクーニャ下議(Gustavo Lima/Câmara dos Deputados)
渦中のクーニャ下議(Gustavo Lima/Câmara dos Deputados)

クーニャ=下院議長選に向け黄信号=LJで「疑惑の政治家」に=反ジウマ派の急先鋒も=本人は否定し出馬に意欲

 連邦警察のラヴァ・ジャット作戦(LJ) の取調べで、ペトロブラスを巡る汚職疑惑「ペトロロン」に「関与した政治家」として、次期下院議長を目指し、「反ジウマ派」の急先鋒としても知られるエドゥアルド・クーニャ下議(民主運動党・PMDB)の名前があがったことが判明し、同下議への風当たりが強くなりはじめている。8日付伯字紙が報じている。

 クーニャ下議は昨年、下院内で反ジウマ勢力である「ブロコン」を結成し、ペトロロンに関する議会調査委員会(CPI)の承認や、ネット法への反対など、ジウマ大統領の意向に反する行動を率先して行っていた。クーニャ氏は、議会内の議長を歴任しているPMDBの下院リーダーという立場を生かし、議会内で強い影響力も保持しており、2月からの次期下院議長の有力候補とも見られている。
 だが、同氏のそうした勢いは、LJの容疑者から「ペトロロン」に関与した疑いのある政治家として名前をあげられたことで揺らぎつつある。同氏の名前は、ラヴァ・ジャットの主犯者である闇ブローカー、アルベルト・ュセフ容疑者が、罪の軽減を引き換えとして行った連邦検察庁への報償付の供述の中で「ペトロロンで便宜が図られた政治家」としてあげられた。それによるとクーニャ氏は、PMDBのロビイストであるフェルナンド・バイアーノ容疑者を介して賄賂を受け取っていたとされている。
 一方、連邦警察の捜査官は、クーニャ氏が、ユセフ容疑者の元で賄賂の運搬などを行っていたとされ、現在休職中の連邦警察官ジャイミ・アウヴェス・デ・オリヴェイラ・フィーリョ(通称カレッカ)容疑者から賄賂を受け取っていたのではないかとの疑いを持っている。
 それはカレッカ容疑者が取り調べで、「ユセフ氏に頼まれて現金を運んだ先の一つにクーニャ氏の自宅があった」と証言したとされるからだ。ただ、カレッカ容疑者の弁護士は、この証言を後に否定している。
 こうした疑惑に対しクーニャ氏は7日、ペトロブラスでの疑惑への関与を完全否定し、「その闇ブローカーも、警察官とやらも私は一切知らない」と語った。さらに、「どうやら私の下院議長選への出馬を妨害しようとしている勢力があるようだ」とも発言した。
 クーニャ氏はその人物の名前をあげなかったが、それは下院議長の座を争うと目されているアルリンド・キナリア下院議員(労働者党・PT)を指していると思われる。キナリア氏の側近は、「ペトロロンでクーニャ氏が疑惑の人物として浮上したことでキナリア氏を推す勢いは増したはずだ」と語っている。
 連邦政府関係者も、かねてから目の上のこぶであるクーニャ氏がLJの疑惑者となったことで、水面下で議長選への出馬取り止めを求めているが、クーニャ氏は強行に反対しているという。
 連邦検察庁は連邦最高裁に、クーニャ氏に対する調査を求める意向だ。