この地に暮らして7カ月、日系、ブラジル人の別を問わず、色々な方の親切を受けてきた。会ったばかりなのに家に招かれて、そのまま一週間お世話になったこと、着いたばかりの私を3カ月も格安の家賃で泊めてくれ、引越しの際に車で荷物を運んでくれたことなど、数え上げれば限りがない。
彼らが口を揃えてこう言う。「安易に他人を信用してはいけない。皆が私のように親切なわけではない。君は運が良かった」「拙いポ語を喋るのもダメ。外国人とバレたらつけ込んでくる輩が必ずいる」
皆が親切なのに、皆が他人を信じるなというこの矛盾。おそらくどちらもブラジルの顔なのだろう。外国人の私には優しく、近い隣人同士では、妬み嫉み猜疑心といった感情もどうしても出てくる。
ブラジル社会の一部に参加したくてやってきたオーリャ子もいつか不親切な人に会う事もあるだろう。その時こそ「これだよっ」とほくそ笑んでみようと思う。(規)