司法当局は13日、消費者権利保護団体である「プロテスチ」の訴えを受け、ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)の提案した水道過剰利用者に対する追徴金の適用を停止する予備判決を下したと14日付の伯字各紙・サイトが報じている。
追徴金はサンパウロ州上下水道・エネルギー規制機関(Arsesp)が今月7日に認可し、8日から実行される事になっていた。
追徴金は2013年2月から2014年1月の水の平均使用量を上回った世帯に科せられ、超過が20%未満だった世帯には上水道料金の40%、20%以上上回った世帯には上水道料金の100%が課金される仕組みだった。
シモネ・モラエス・レミ判事は「サンパウロ州政府はまだ公式に水の給水制限を適用していないため、利用者に罰金を科すことはできない」との判断を示した。
判事は判決文の中で、給水制限がまだ行われていないことに触れながら、「罰金を定めた条文が実際に適用される可能性はない」と述べた。
「プロテスチ」の調整役であるマリア・イネス・ドルシさんは、司法は勇気のある判断を下したとし、「水供給危機の背景を良く理解したものだ」との見解を示した。
サンパウロ州政府は追徴金の課金停止を定めた司法判断の無効化を求めて上告する意向だ。
今回の判決を受け、アルキミンサンパウロ州知事は翌14日、初めて給水制限が行われているとの見解を口にした。2014年初頭からの水危機において、同サンパウロ州知事は一度も、給水制限の実施を認めてこなかった
サンパウロ州知事は「給水制限はもう既に存在している。国家水資源庁(ANA)がカンタレイラ水系からの取水量を毎秒17立方メートルに引き下げる決定をした時に、事実上の給水制限が始まったことは明白だ」と述べた。同水系からの取水量の制限は、昨年3月13日に始まっている。