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14年度のENEMの結果を発表するゴメス教育相(Wilson Dias/Agência Brasil)
14年度のENEMの結果を発表するゴメス教育相(Wilson Dias/Agência Brasil)

Enem=数学と作文の成績低下=「満足のいく結果ではない」=国立校と州立校の差歴然

 シジ・ゴメス教育相が13日、14年の国家高等教育試験(Enem)の結果を発表、「公立校の実態は理想とは程遠い」「満足のいく結果ではない」と発言したと14日付伯字各紙が報じた。
 昨年のEnemは872万1946人が申し込み、619万3565人が受験した。高校卒業年の受験者は148万5320人で、既に高校を卒業した受験者や腕試しで受験する在校生の方が多い。
 14年の全教科の平均点は499点で13年の504・3点より低いが、教育省は両者の差は誤差の範囲で大差はないと見ている。
 成績低下が著しかった作文は52万9374人が零点で、10万6700人が零点だった13年の約5倍。満点も481人が250人に減った。 高校卒業年次の受験者の平均は1千点中470・8点で、13年の521・1点より9・7%も低くなった。
 ゴメス教育相は、作文の成績悪化は、大学受験に作文の点数が必要ではない受験生などが白紙回答を出した可能性があるのに加え、テーマの違いも影響したと説明した。同相は、13年の課題の「レイ・セッカ(飲酒運転禁止法)」は国民の間で十分議論されていたが、14年の「児童向け出版物」はあまり議論された事がなかったとの見解を明らかにした。
 もう一点注目されたのは、数学の点数の低下だ。高校卒業年の受験者の平均は476・6点で、13年の514・1点より7・3%低かった。
 それ以外の科目は、人文科学が515・1点から543点に5・4%向上したのをはじめ、自然科学が473・2点から484点に、言語が489・1点から508・1点に向上している。 
 国立校生の平均は588・8点で、私立校生の556・7点を上回った。市立校生の平均は494・8点、全体の74%を占める州立校生の平均は477・7点で、公立校での教育はまだまだ改善が必要だ。
 教育相は、「ブラジルの公立校の教育レベルは高いと嘘をついたり隠し立てしたりする事は出来ない」とし「決して満足のいく結果ではない」と発言した。
 14年のEnemでは一部地域で問題が事前に漏れるといった問題も起きたが、作文の採点には認定を受けた係官が加わるなどの改善点も見られた。将来的には、作文の採点は認定証を持つ係官に限定される見込みだ。