1月11日に開催30周年を迎えたブラジルが誇るロック・フェスティバル、「ロック・イン・リオ」だが、その主催者であるロベルト・メディーナ氏が9日付グローボ紙に対して行ったインタビューの後編。今回は、大成功に終わった1985年のロック・イン・リオ以降、現在、そして未来について語る。
10日間で100万人以上を動員した初回ロック・イン・リオの大成功で、メディーナ氏の許にも大金が舞い込むかと思われたが、そうではなかった。手元には余り金は残らず、メディーナ氏はむしろ成功をロック・イン・リオの次回開催にかけ、それを1987年に設定していた。
ところが、そこに横槍が入った。それは時のリオネル・ブリゾラ・リオ州知事が、会場となったシダーデ・デ・ロックを接収し、リオ州のものとしてしまったため、会場が奪われてしまったのだ。ブリゾラ氏と言えば、軍政前最後の大統領のジョアン・グラール氏の義弟で、軍政時代も反乱分子の政治家として民政復活を願う人々から英雄視された人だが、ロックを支持するほど若くはなかったようだ。
結局、リオ州内に新たなシダーデ・デ・ロックを見つけるのに時間がかかり、次回開催は1991年となり、3回目の主催は更に10年後の2001年となった。「もし、あの時すぐに開催できていれば、ロック・イン・リオのブランド・イメージはもっと早く固まっていた」とメディーナ氏は悔やむ。
メディーナ氏は「ブランド・イメージをつけるには世界進出だ」と思い立ち、2004年にポルトガルのリスボンで「ロック・イン・リオ」を開催。同地での開催は隔年で、2008年にはスペインのマドリッドでも開催した。これらが成功したことで、2011年からは本家リオでの「ロック・イン・リオ」も再開。以降、リオでも隔年開催となり、15年の今年も行なわれる。
今年のリオは9月13日から22日の開催だが、その4カ月前の5月には遂に、ロックの本場、アメリカはラス・ヴェガスで「ロック・イン・リオUSA」を開催する。巨大なフェスティバルが既に確立されているアメリカでの成功を疑問視する声はあるが、メディーナ氏は「私たちが30年にわたって積み上げてきた経験を、素晴らしい出演者と共に届けるだけだ」と語り、さらに「17年にはUSA版を6日間開催(15年版は4日間)にしてアメリカでの地位を確立したい」と目標を語っている。
メディーナ氏としては、「ロック・イン・リオ」を世界に広げる意向だ。現在、同フェスは、初回開催時は6歳だった娘のロベルタさん(36)と親子の二人三脚で奮闘中だ。(9日付グローボサイトより)