【既報関連】サンパウロ市内で問題化する「ロレジーニョ」を擁護するという名目で16日夕方、路上生活者(セン・テット)たちがサンパウロ市南部カンポ・リンポ周辺で便乗マニフェスタソンを行い、同団体の侵入を恐れたショッピング2軒が臨時閉鎖を行い騒然となった。17日付伯字紙が報じている。
「ロレジーニョ」と呼ばれるショッピング駐車場での不法なファンキ・イベントを行なっているのは、ほとんどが成人前後の若者だ。ところがこの日、ロレジーニョ擁護の抗議を行なったのは路上生活者労働者運動(MTST)で、そのほとんどが、現在サンパウロ市内最大の不法侵入地域となっている南部ジャルジン・アンジェラの「ノヴァ・パレスチナ」の住人で、参加者も老若男女問わずだ。
「貧しい黒人の若者たちがどこで何をやろうが自由だ。警察や金持ちは酷い連中で、今や市長までが味方しようとしている」とリーダー格のシモーネ・ボルジェスさんは地下鉄5号線カンポ・リンポ駅前で叫んだ。抗議の混乱で同駅は30分機能停止に陥った。
そして抗議グループは二手に分かれ、最寄のショッピング・カンポ・リンポとショッピング・ジャルジン・スルへと向かった。この2つのショッピングは一団の入場を恐れ、「公に開かれた場所ではあるが、ショッピングは企業の活動を目的とした私的事業」だとした、サンパウロ州地裁からのロレジーニョ禁止の暫定命令書を正門のガラス戸に貼り、全ての入口を締め切り、警備に軍警を配した。一団はショッピングの前で抗議の声をあげ続け、周囲は騒然となった。「これでは生活に必要なものも買いに行けない」と利用客は不満を漏らした。
フェルナンド・ハダジサンパウロ市市長は、ロレジーニョを主宰するリーダー格との対話で問題解決を狙っているが、ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事は「警察の対処するものでは本来ないが、観客による窃盗などが続くようなら、警察が鎮圧せざるえなくなる」との見解を示している。
セン・テット=ロレジーニョを便乗擁護=ショッピング2軒が騒然
ニッケイ新聞 2014年1月18日