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予想を上回る昨年の成長率=15年も堅調推移の見通し=パラグァイ 坂本邦雄

 パラグァイ中央銀行によると、地域一般の低調な経済情勢にもかからず昨年10月現在、最近5カ月間に4・7%もの好調な経済成長を示し、この上向きな財政傾向は同じく2015年を通じて続く見通しである。
 この経済成長率は昨年の予想GDP(国内総生産)を上回る経済成果であって、景気の後退の気配はなく、正に国の潜在開発力を表わしたものである。
 しかし、中銀当局者は前記の経済成長率(4・7%)は当初の予想を下方修正したものであるが、それでも地域諸国がおのおの見直した2014年度の各修正率よりもなお低い修正結果であると語った。
 なお、我が金融政策の実施上に於いて最も基本的に重視されるイタイプー(伯)とジャシレタ(亜)両双国水力発電所及び農牧業部門の活動インジケータ(経済指標)を別にすれば、この成長指数(4・7%)は更に強化されるものである。
 中銀の「パラグァイ経済指標月報によれば、本年度末には新に我が国の経済は4%成長するが、これらの数字は全2014年度に亘るGDPの上方修正の傾向を強く示唆するものである。
 中銀のカルロス・フェルナンデス・バルドビノス総裁は、この好調な国内経済成長の原動要因は、2015年に於いて外因性の経済不況の衝撃を減衰するに足り得る健全なものであると述べた。
 パラグァイのこの経済成長の理由は、活発な建設業、サービス業、工業や、多少はそれに劣る第一次産業各分野の旺盛な活性力に存する。
 それに来年のパラグァイの明るい経済成長の見通しを支えるものの一つは、APP・官民提携法にもとづく5件の事業計画がいよいよ始動し始める事にある。
 ヘルマン・ロハス大蔵大臣の話では、これらの官民提携事業は政府のイニシアティブによる事業4件と民間側から提案されたもの1件の計五つの重要なプロジェクトであって、我がパラグァイへの外国企業進出に対する魅力性をより高めるのみならず、国際市場での競争条件の向上にも資するものである。
 その事業種別は、政府主導のものではブラジルへ繋がる第2?第7国際道路の4車線拡張工事、通過都市迂回バイパス道路、高架橋等や地域貨客集散ハブ空港の建設・改善、それに北はアパ河と南はパラナ河各合流点を結ぶパラグァイ河水路の開口浚渫、航路標識、運航とその維持、及びイパカライ湖水域21市町の下水・排水処理プラントの建設計画等々である。
 同時に、民間イニシアティブに依る事業では利権会社「タペ・ポラ社㈱」が第7「ホセ・ガスパル・ロドリゲス・デ・フランシア」国際道路の車線拡張とその回復、適切化の諸工事実施及び維持、運用、開発の管理業務に当る。
 なお、ダニエル・コレーア経済副大臣は、APP(官民連携法)の実施は国際市場における国債発行に代わる一つの代替資金調達源になり得るものであると語った。
 一方、経済企画庁筋は将来5年間にAPP及び利権法による事業投資は、およそ30億ドルに達する見込みであるとした。ちなみに、APP法の適用を受けるには当該事業投資は最低500万ドル規模のプロジェクトであるべきである。
 そして、その契約期限は特に延長されない限り30年を越える事は出来ない。かつ同法目的のため、信託制度の使用も規定されている。