エクアドルの首都キトで10日から5日間に渡って行われたAPPF(アジア太平洋議員フォーラム)に参加した田中茂参院議員が19日、旧友のいる日系社会を訪ねて来伯した。
記念の年に来伯した最初の国会議員となった田中氏は、「日伯外交樹立120周年の節目の年に当たり、日本の国会議員として、日系の皆さんに祝意を述べたい」と同時に「日系人の皆様との旧交を温めたい」と笑顔で語った。
サンパウロ市に創設が決定している「ジャパンハウス」(日本の伝統文化や歴史認識を発信する国際広報拠点)についても触れ「日本文化の発信拠点となりうるものを徹底的、かつ計画的につくるべき。日本側でその重要性を訴えるつもり」と力強く語った。
今後の日本外交の方向性に関して「経済政策のみならず、文化政策にこそ本腰を入れるべき」との持論を述べた。「移民の歴史は日本において特別なものにも関わらず、十分に学校で教えられていない」と現状を問題視し、「なるべく小さい頃から教えるべき。教科書での授業のみならず、映像授業やインターネットを活用した、日伯学生間の双方向でのコミュニケーションの場を設けるなど、まだまだできることがある」と述べた。
APPFは中曽根康弘元首相が主唱して立ち上げた経緯があり、その秘書を長く務めていた田中参議は準備段階から関わっており、今回は中曽根弘文参議が団長となって3人の議員が参加、中東和平、防災の国際協力、朝鮮半島情勢、経済貿易など18決議文を採択したという。
最後に「サンパウロに来ると日本文化、歴史に対する想いが強く感じられて、ホッとする」と安堵の表情を浮べつつも、「それに甘んじてはならない。しっかり日本からも発信せねばならない。身が引き締まる想い」と語った。