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PEの刑務所でまた暴動=軍警と収監者各1人死亡

 ペルナンブコ州都レシフェ西部のクラード複合刑務所(旧アニーバル・ブルーノ)で19日に暴動が起き、軍警と収監者各1人が死亡、29人が負傷と19、20日付各紙サイトが報じた。
 同刑務所では同日朝も裁判の遅れなどに対する平和的な抗議行動が行われたが、午後になり、収監者の一部が中庭を占拠し、塀の上から監視していた武装軍警らに投石などを行ったため、軍警が銃で応戦。収監者が逃げ惑ったり怪我人を運んだりする姿はTVでも報じられた。
 午後5時頃には突撃隊も構内に入り、鎮静化かと思われたが、現場に駆けつけた家族によると、混乱は夜になっても再発し、20日未明も銃声が聞こえたという。現場には警察車両や救急車が待機し、法医学研究所の車が2度出入りしたとの証言もある。当局は19日夜更け、被弾した軍警と収監者各1人が死亡、29人が負傷と報じたが、20日朝9時発表の収監者リストは27人分(死亡1人、入院14人、退院12人)のみだった。
 20日朝は平静に見えたが、朝10時頃、再び銃声が響いた。刑務所職員組合によると、一部収監者が房の錠を壊し、中庭を占拠したため、不穏な動きを制するための銃声だったという。収監者の一部は屋上に出、19日の死者は計6人と書いた紙をかざした。
 グローボ局は今月始めに同刑務所の収監者が携帯電話や山刀を使っている様子を放映。これを受け、軍警突撃隊や特殊部隊が7日朝、同複合刑務所を構成する3刑務所の一つのマルセロ・フランシスコ・デ・アラウジョを捜索したところ、大小様々な刀数十丁や携帯電話、麻薬が押収された。 
 同複合刑務所は1300人収容の施設だが、7日の報道によると現在の収監者は約6千人で、ここ2カ月の間に、屋根から突き落とされたり、喧嘩相手に刺されたりして収監者2人が死亡。12月24日には脱走計画が発覚して暴動が起き、12人負傷。今月4日には地下トンネル発見で、大量脱出が阻止された。