ジウマ大統領が20日、今年の所得税は6・5%の調整とするという連邦議会が承認した案に拒否権を行使したと21日付伯字各紙が報じた。
所得税は、国立社会保険院(INSS)負担分(0・8%)を差し引いた後の給与額で計算されるが、14年のインフレ率が6・41%だから、それ以下の調整だと、実質的な増税となる。ジウマ大統領が連邦議会が承認した6・5%の調整案を拒否した事で、所得税調整率は4・5%となる可能性が強まった。最終的な調整率は政府が再提出する案を議会が承認した後に決まるが、大統領が6・5%調整案を拒否したのは、4・5%調整する場合より税収が70億レアル減るからだ。
現在の所得税は、月収1787・77レアルまでが無税。それ以上2679・29レまではは税率7・5%(控除額134・08レ)、3572・43レまでは15%(335・03レ)、4463・81レまでは22・5%(602・96レ)、4463・81レ以上は27・5%(826・15レ)だ。
4・5%調整だと1868・22レ以下は免税、以後、2799・86レまでは7・5%(140・11レ)、3733・19レまでは15%(350・11レ)、4664・68レまでは22・5%(630・09レ)、4664・68レ以上は27・5%(863・33レ)となる。
6・5%調整だと1903・98レまで無税となる事を考えると、給与調整後は、無税だった人も課税対象となったり、インフレ調整されたはずの給与の増額分が所得税に食われる可能性がある事がよくわかる。
所得税が4・5%の調整となった場合、1996年以降のインフレ上昇率と所得税の調整率との差は年末までに67・88%になる。無調整だった場合は75・43%の差となるから、給与受給者の税負担は若干軽減されるが、年々重税感が強まるのは免れない。
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