サンパウロ州内陸部のタツイーの登記所で26日、103歳のダヴィ・ビテンコートさんと90歳のマリア・ポウトローレさんの結婚式が執り行われた。
新婚の二人は70年以上の婚約期間を経、酸いも甘いも知り尽くした仲だ。人生で最も大切な行事の一つである結婚式の日、ダヴィさんは白い背広に赤いネクタイ、マリアさんは白い服に真珠のネックレスと金色のバッグといういでたちで、時間通りに登記所に。
聴力に問題がある新郎は、「本当に結婚を望んでいるか」との質問に、新婦の助けを借りつつ「シン!」と返答。新婦の方は同じ質問に、満面の笑みをたたえ、元気よく、「マイス・キ・シン(「はい」以上です)」と答えた。
二人に正式な結婚をさせようと考えたのは、10年前から二人を見てきた年金生活者のアナ・アリセ・ソアレスさんだ。
ダヴィさんとマリアさんは昔、サンパウロ市に住んでおり、現在58歳になる息子がいるが、一人息子の夢は二人の結婚証明書を獲得する事だと知ったアナさんは、「あなたの夢を叶えてあげるわ」と言った後に、書類の準備、その他に取り掛かったという。「マリアさんは私にとってお姉さんみたいな存在だ」と言うアナさんは、2年間かけて、出生証明以下、必要な書類をそろえた。
結婚式をリードしたルイス・ゴンザガ。フェラース判事も、「滅多に見られない結婚式で、私にとっても非常に感慨深い経験になった」と感想を漏らした。
マリアさんによれば、二人は職場で知り合ったが、最初の3年間は電話でのやり取りだけで、ダヴィさんの人となりも知らないままだった。その後に組合の委員長だったダヴィさんと個人的に会う機会があり、その人柄がわかってからはぞっこんだったという。
70年以上も関係が続いた秘密を訊かれたマリアさんは、たった一言「赦す事」と答えた。「ハネムーンも披露宴もいらない」という二人は、登記所での結婚式の後、喜びに満たされて帰宅。誰かを愛しているならば、愛を表現するのに遅すぎるという事はないという事を実証してくれた二人の姿はすがすがしく、また、微笑ましい。(27日付G1サイトより)
タグ:サンパウロ