29日、サンパウロ市で、今年に入って6度目の無賃乗車運動(MPL)のデモが行われた。デモ隊はパウリスタ大通り、5月23日大通りの片側車線を塞いで行進し、フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)の自宅も標的になったと30日付伯字各紙が報じている。
デモの後、イビラプエラ公園で過激派のブラックブロック(BB)が報道陣を襲い、公園の記念碑にスプレーで落書きをした。イタウ銀行のブリガデイロ支店も破壊活動の被害に遭った。
警察の発表では1千人(主催者発表は1万人)のデモ隊は、MASP前で集合し、パ大通りを行進した。
軍警はこの日の警備のため、様々な部隊から集められた「忍者隊」を今年初めて派遣した。
結集後のデモ隊は、サンパウロ市南部パライーゾのサンパウロ市長の自宅を目指した。市長の自宅のある建物の周辺は突撃隊が警備した。
デモ隊と機動隊は市長宅前でにらみ合いになった。機動隊が攻撃隊形をとるとデモ隊は挑発的に道に座り込み、ハダジ市長への野次を飛ばした。
デモ隊はその後も行進を続け、5月23日大通りの南向き車線を占拠しながら進んだ。デモはイビラプエラ公園近くのサンパウロ州議会まで達し、そこで解散した。
ところがその後、過激派のブラック・ブロック(BB)が同公園のバンデイランテスの像によじ登ったりした際に衝突が起きた。覆面のBBがその様子を撮影していた報道陣に襲い掛かり、撮影機材を壊されたカメラマンも出たほか、「軍警は毎日貧者を殺す」「富裕層に死を」といった文面の落書きも起きた。
デモ隊の一部はブリガデイロ・アントニオ・ルイス大通りを通り、パ大通りまで行進をした。パ大通りに着くと地下鉄の無賃乗車を試みるものも現われたが、付近の駅は警備が強化されており、午後11時までには混乱も収まった。