ここ数年続く少雨に伴い、サンパウロ州では州内で最大の水源カンタレイラ水系の枯渇が心配され、給水制限がいよいよ間近とも言われているが、現在、サンパウロ州も属する南東伯では、雨そのものが6週間降っていない州都が存在する。
サンパウロが雨が少ないと言っても、実は今年の夏に関して言えば、昨夏より降水量自体は増えている。1月のカンタレイラ水系の降水も29日午前9時現在で147ミリで、昨年同月の87ミリを既に60ミリほど上回っている(30日も雨が降ったため、月間雨量はさらに更新の見込み)。ただ、1月の平均降水は274ミリで、それには大きく及ばない。
ただ、この1月に関しては、今月中旬に2週間ほど南東伯に接近した、南大西洋熱帯高気圧(ASAS)の影響さえ受けなければ、サンパウロの降水量はもっと期待できたはずだった。このASASは連日35~40度の高温をもたらし、それが湿った空気をも乾燥させてしまうため、雨を降らせなくする。サンパウロも今月の15~20日頃はこれに苦しんだ。
その意味で「ASASさえなければ」と、非常に悔しいところではある。だが、南東伯の他の地域が受けたASASの影響に比べれば、実はサンパウロの状況など、生易しいものだった。リオでは連日40度前後の高温が続き、28日現在の州都リオの月間降水量は30ミリほど。ミナス・ジェライス州州都ベロ・オリゾンテでも90ミリほどに終わっていた。
しかし、それをも上回っていたのが、エスピリントサント州の州都ヴィットーリアだ。リオの東側に位置し、港湾を中心とした行き来が盛んな同市では、なんと昨年12月16日以来、今月29日までの43日間、6週間ものあいだ、降水「ゼロ」を記録したままだ。
しかも、気温は連日30度以上の高温で、雨なし日が43日目を記録した28日も、2年前の3月11日に記録した同市の史上最高気温35・9度にもう少しで並ぶ35・8度を記録。市民としてはノイローゼになりそうな状況だ。
本来なら、ブラジルのほとんどの地域にとって、1月こそがもっとも雨量が見込める時期だ。サンパウロでも2012年までは300~400ミリほど降っても普通のことで、それは他の南東伯の都市でも同様のことだった。(29日付クリマテンポなどより)