サンパウロ州政府は1月30日、水不足問題対策として、アウト・チエテ水系にビリングス湖(貯水池)から水をひく水路の建設を最優先課題として始める方針を明らかにした。また、先週非公式に明かされた5日間断水、2日間給水の計画断水プランが、市民の間に貯水タンクの買占めを引き起こしている様子を1月31日から2月1日の伯字各紙が報じている。
3カ月で3回に及ぶジウマ大統領との水問題に関する協議の末、ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は、5月までにビリングス湖(以下B湖)とアウト・チエテをつなぐ水路の工事を終わらせる意向を示した。
アルキミン知事は2時間にわたる大統領との会談後、「B湖は大きな水がめだ。1950年代から生活用水として使われてきた」とし、2月にはサンパウロ州水道公社(Sabesp)がB湖とアウト・チエテをつなぐ8・5キロの水路の工事を開始するとの意向を示した。
B湖の水を利用するに際し、一番の懸念要因は水質だとされているが、Sabespは浄化には自信を見せており、問題は水を必要な地域にいかに早く送るかということだとしている。
サンパウロ州政府にとって水路の工事は最優先課題で、5月中の工事の終了を望むアルキミン知事は、ペトロブラス社が同社のガスパイプライン用地に水路を建設する事を容認したことに対し、謝意を示した。
イザベラ・テイシェイラ環境相は、「B湖は水力発電にも大量の水を供給しているが、同湖の水を生活用水としてひいても発電部門との軋轢は生じない」と語った。
アルキミン知事は大サンパウロ市圏の計画断水に関してはまだ何も正式決定していないとしたが、関係者の間では「4日間断水、2日間供水」案が有力と見られている。
1月27日にSabespのパウロ・マサト都市部担当理事が、「5日の断水と2日の給水」案を発表した後、サンパウロ州では内陸部も含め、〃5対2効果〃と呼ばれる貯水タンクの需要の急増が起きており、サンパウロ市民の間では「サンパウロ市では水より貯水タンクの方が売れる」との冗談が流行っている。
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