ホーム | ビジネスニュース | 電気代大幅に上がる?=社会政策分だけで20%=年次調整込みで60%の例も
工事の遅れが続くマデイラ川のジラウ水力発電所Programa de Aceleração do Crescimento (agosto 2013)
工事の遅れが続くマデイラ川のジラウ水力発電所Programa de Aceleração do Crescimento (agosto 2013)

電気代大幅に上がる?=社会政策分だけで20%=年次調整込みで60%の例も

 国家電力庁(Aneel)が3日、電気普及運動や低所得者への補助などの社会政策経費やイタイプ発電所の電力価格上昇分などを電気代に転嫁する特別調整を認めたと4日付伯字紙が報じた。
 近年は少雨に伴う水力発電量低下を火力発電で補っている上、13年にジウマ大統領が提唱した20%の電気代値下げなどで発電・送電事業のための動力開発勘定(CDE)は増加の一途で、政府支出も拡大していた。
 だが、今政権の経済スタッフは、消費者は現実に即した料金を払うべきとし、予算計上されていた90億レの支出をカット。CDEの経費259億6千万レ中、罰金や各種料金などの収入見込み7億5千万レ分を除く232億1千万レ分が消費者に転嫁される。各地域の負担率は南、南東、中西伯が19・97%、北東と北伯は3・89%。 南、南東、中西伯にはイタイプ発電所の電力価格上昇分も上乗せされるため、これら3地域の電気代は3月以降、平均26%値上がりする。
 この数字は各電力会社が毎年行う年次調整とは別計算で、3日に45%の調整を認められた、サンパウロ州内陸部を管轄するCPFLジャグアリ社管内での電気代は、最終的に61%増しとなる計算だ。
 電力会社の年次調整の時期や上げ幅は会社毎に違い、3日に承認・発効となったサンパウロ州4社、パライバ州1社、アマパー州1社の調整率は18・56%~45・40%だった。この年次調整には、14年に銀行が電力業界に融資した178億レを回収するための経費も含まれる。融資返済は17年までで、前記6社の場合、平均14・27%が元金返済や利子支払いのための調整だった。
 なお、CDEの主な経費は公共部門や農村部の照明、灌漑などの補助61億9500万レ、繰越支出54億6400万レ、北部の火力発電所用の燃料51億9300万レ、13年の電気代値下げの際の契約の前倒し更新に伴う賠償金支払い48億9800万レ、低所得者への補助20億9400万レ、火力発電用石炭12億1600万レ、全国への電気普及運動8億7500万レなど。
 当面は、電力需要の10%を担うはずの発電所建設工事の遅れなどが恨まれそうな状況が続く。