ジウマ第2次政権の新人事が続々と発表される中で、中央銀行でも日系人および日本企業関係者がより重要な役割を占めることが明らかになってきた。
横田パウロ氏以来、日系人で2人目の中央銀行理事であるルイス・アワヅ・ペレイラ・デ・シウヴァ氏(国際関係担当)が、この度、より重要な経済政策担当理事に就任することが発表された。
基本金利(Selic)を決定する中銀の通貨政策委員会(Copom)のメンバーで、《最も穏健だが、反体制的な投票をする》《同委員会保守派の代弁者》(ヴァロール紙6日付け)との人物評がある。
アワヅ氏は1956年8月サンパウロ市に生まれ、ソルボンヌ大学で経済学博士号を取得後、世界銀行、ブラジル財務省国際関係局勤務などを経て、2010年4月からブラジル中央銀行の国際関係理事に就任していた。
同紙によれば昨年末、ジウマ大統領がマンテガ財務大臣の退任を発表した時、アレシャンドレ・トンビーニ中銀総裁も後任人事の名前に上がり、もしそうなった場合は、アワヅ氏が総裁候補といわれたとある。
日系初の中銀理事の横田パウロ氏に問い合わせたところ、「アワヅ氏は日系としては2人目だ。個人的に知っているが、アワヅ氏は時計会社「インデブラ」創立者・粟津幾太郎氏の孫。日本の国際協力銀行(JBIC)でも働いたことがあると聞いた」と説明した。
同時に、今までアワズ氏が担当していた国際関係理事席には、野村證券(ニューヨーク)で新興国市場調査チーフのトミー・ヴァルポン氏が就任することも明らかになった。《金融界を代表する名前》(同紙)と評されている。
横田氏は「極秘情報を扱うので、中銀理事は外部とは極力接触しない。まして銀行や証券などと強いつながりのある人物を採用することは危険を伴うので、ごく珍しいといえる」とのべた。