カチア・アブレウ農務相が5日、南東伯の水危機でサンパウロ州の野菜生産量が減り、他の地域にも影響が及ぶ事への懸念を表明したと6日付フォーリャ紙が報じた。
大サンパウロ市圏を中心とする水危機は、農産物の生産にも深刻な影響を及ぼしている。農務相は干ばつが農業生産に及ぼす影響に関する調査を行っており、供給不足を防ぐための代替案などを探る必要もあると発言。農産物の在庫量や向こう3カ月間の降水予想などのデータは、今週中に大統領に提出されるという。
政府が懸念するのは供給不足とそれに伴う物価上昇だ。6日朝、グローボ局は、サンパウロ州北西部の牛肉の生産量が落ち、肉の価格が20%上がった事や、ジャガイモの生産者価格が倍になり生産農家が喜んでいるが、収量減少と燃料価格上昇などで消費者価格も値上がりしている事などを報じた。
農務相は、米やフェイジョンは1カ月分の消費量を賄うだけの在庫があり、サンパウロ州での水不足は穀物生産には影響しないとも述べたが、全国的に見ると、少雨の影響は穀物類でも顕著だ。
一例は昨年10月の少雨で作付けが20日遅れたマット・グロッソ州での大豆栽培で、1月の少雨もあり、ヘクタールあたり52・4俵と見られていた収量が51俵に低下。このままだと、14/15農年の同州の大豆の収量は、当初予想の2790万トンを50万トン下回る可能性がある。北東伯でも、干ばつでトウモロコシやフェイジョンなどが発育せず、肩を落とす農業生産者の姿が報じられた。
2日付BBBブラジルによると、国連の食糧農業機関(FAO)のフランシスコ・グラジアノ氏も「水危機がブラジルの食の安全を脅かす」との考えを明らかにし、食糧の在庫を増やし、乾燥に強い品種導入や水の消費が少なく栄養価も高い作物への変換などの策をとる必要などを訴えたという。