サンパウロ州北部海岸のベルチオーガ市の企業が、海水を飲用水に買える事業を本格化し、販売許可を待っている。
サンパウロ州や周辺のリオ州、ミナス州などの水不足は深刻で、皆が飲み水の確保などに躍起になっているが、この会社では、独自に開発した方法で1日1万6千リットルの飲用水を製造できるという。
飲用化された水は塩分を抜いただけで、人体が必要とする63種のミネラルをそのまま維持しているという。スーパーなどの店頭で売られているミネラルウオーターに含まれるミネラルは最高でも12種程度だ。
3年までに建て上げられた研究所では、深さ30メートルの所からくみ上げた海水を4段階で処理しており、くみ上げた量の約半分が飲用可能な水となる。残りの半分は塩分が濃縮されているため、海水の濃度を急激に変えないよう、数カ所から海に返すという。
飲用可能な状態に処理された水はpH7・5の弱アルカリ性で、腎臓や肝臓などの臓器に悪影響を及ぼす心配はない。
グローボ局の記者が同社が製造した飲用水を試飲してもらったところ、誰も違和感なぞ感じておらず、「他の水と同じだ」「普通よ」と感想を述べた。中には「いいね。どこで売っているんだ」と聞いてきた人までいた。
同社が製造する水を3年間分析してきた生物医学者のルシア・アベル・アワドさんは、「動物実験でも何の問題も起きておらず、飲用水として普通に使える」と太鼓判を押している。
唯一の難点は普通のミネラルウオーター(サントスでは300mlで1・5レアル)より、2~3倍高くなりそうな事で、現在は国家衛生監督庁からの販売許可を待っているという。(6日付G1サイトより)