8日(日)付エスタード紙に、ルーラ政権で下院政府リーダーを務めたカンディト・ヴァカレッツァ元下議が、「現政権の政策はどれも皆短期的で、計画性がない」と批判した記事が掲載された▼つい先日、ブラジルでは大臣などが交代するとその下の実務レベルの人まで代わるため、政策に一貫性がなく、各種事業にも継続性を欠くと話していただけに、労働者党(PT)内からもジウマ政権への批判が出始めたなと改めて感じた。元下議は「ジウマ大統領は経済活性化計画(PAC)の母である事より、貧者の母である事を望んだ」とも語り、もっとインフラ整備に力を入れるべきだったと強調した▼計画性のなさはジウマ政権だけの問題ではなく、ブラジル人の特性でもあろう。第1期政権は再選を目指した政策一色、第2期政権は公約の消化で終わり、本当に国のためを考えていた政権だったかと問われる例は他の国でもありうる。第2期政権に入っても自党政権存続という強い意識が働けば長期計画立案もありだが、目の前の問題を解決するだけの臭いものに蓋的な政策が優先されれば、国が目指すべき方向も見えなくなる▼国政では「船頭多くして船山に登る」はあってはならないが、一握りの人だけに権力や仕事が集中すればどこかで無理が生じるし、汚職も起きかねない▼大統領支持率も落ちる中、PTが真に国を思うなら政権批判よりその欠点を補う努力をするべきではないのか。相手が「飛ぶ鳥も落とす」勢いの時、隠れた問題まで見抜いて批判する人は少ない。元下議の発言が、個人的な不満を抑えてきた人が相手が躓いたのを見て「それ見た事か」的な声を上げたのではない事を願いたい。(み)