ホーム | 日系社会ニュース | コチア青年定期総会=胸像や慰霊碑を国士館移転=60周年式典は9月20日=茶室や日本庭園は再建へ
寄付金の呼びかけをする前田会長
寄付金の呼びかけをする前田会長

コチア青年定期総会=胸像や慰霊碑を国士館移転=60周年式典は9月20日=茶室や日本庭園は再建へ

 コチア青年連絡協議会(前田進会長)の定期総会が9日午前、サンパウロ市の宮城県人会館で行なわれ、69人が出席した。14年度の事業・決算報告、15年度の事業計画として、コチア青年着伯60周年式典並びに記念桜の植樹、胸像・モニュメントの国士舘への移転など、関連事業計画案が審議され、正式に決定した。

 前田会長は開会の挨拶で「60周年式典を控え、皆様の一層の支援、協力をお願いしたい」と呼びかけた。
 広瀬哲洋副会長が60周年記念式典及び関連事業計画案を発表し、式典は9月20日に文協国士舘大学スポーツセンターで実施すると決定した。参加費80レの案は取り下げられ、寄付金で賄うことが提案されたが承認が得られず、会場からは「30レだけでも徴収しては」「本当に参加費なしで集められるのか」と異論が噴出。前田会長が「寄付金集めをがんばりますので、どうかご協力を」と説得し、今度は拍手で承認された。
 コチア青年関係の3体の胸像と慰霊碑を同センター敷地内に移転する計画については、7月末までに移転したい意向が示された。広瀬準備委員長は「物や情報が集まり、明日への活力が得られるような集いの場にしたい」との意向を示し、コチア市が移転費用を出す「用意がある」ことを報告した。茶室や日本庭園も5年以内に再造成される予定だという。
 記念誌発刊は、投稿原稿100編を目標に現在50編の原稿が集まっており、宮坂国人財団から3万5千レの助成金も寄せられている。
 60本の桜を植える記念植樹については、1本200レの協力金を徴収し、7月までに植樹する予定。総会当日だけで44本分の協力金が集まり、杓田美代子副会長は「達成できそう」と笑顔を見せた。
 当日、議長には西尾雅夫(のりお)さんが選ばれ、昨年度事業報告では親睦ゴルフ大会、国士舘桜祭りや県連日本祭りへの出店、古希・喜寿・傘寿祝賀会、コチア組合先亡者合同慰霊祭などの定例行事、3回目の三世訪日研修団の実施などが発表された。
 鎌谷昭会計から昨年度決算報告があり、会費と日本祭り収入など年間収入約7万5千レに、前年度からの繰越金約11万4千レを加えた総収入は約18万9千レ。そこから諸経費などの年間支出約7万1千レを差し引いた約11万8千レが繰越金として報告され、拍手で承認された。15年度の事業計画は収支ともに約18万8千レで承認された。
 三世訪日研修(17人)の一人・高原幸冶さん(23、三世)が祖父の高原司さん(88)と登壇し、「日本には日本の素晴らしさがあり、日伯を比較するのは無意味だと気付いた」と訪日研修での気付きを話した。
 新年祝賀会に移り、盛況のうちに幕を閉じた。