セアラ州フォルタレーザ市の一角では、車やバイクの運転手は窓を開けて走る、ヘルメットは被らないといった特別な注意が必要だ。8日付エスタード紙によると、これは市内で勢力を競いあう麻薬密売組織に狙撃されるのを避けるための常套手段だ。最近は第3勢力も台頭し始め、麻薬売買の拠点確保や代金未払いの人物処罰の意味の殺人が多発している。
フォルタレーザは全国の州都中、最も殺人発生率が高く、13年の場合は10万人当たり82・9人が殺人事件の犠牲者となった。同市の殺人発生率は05年の3倍で、前年は州都で1位だったアラゴアス州マセイオー市の10万人当たり82・8人を上回った。
これらの州都を含む北東伯の殺人発生率は10万人当たり40人。中西伯の37人や北伯の36人を上回り、3年連続で最も殺人発生率が高い地域となっている。
州別発生率はアラゴアス州の10万人当たり65人が最も高い。同州が国ならば、ホンジュラスの10万人当たり90人には及ばないが、ベネズエラの54人を上回り、世界で2番目に殺人発生率が高い国となる。
州別発生率2位はセアラ州の10万人当たり51人で、前年の45人から急増した。同州の発生率は03年より150%上昇。北東伯ではほぼ全州で同期間中の発生率が大幅に上昇。唯一の例外は03年に発生率トップだったペルナンブコ州で、13年の順位は13位に下がった。
北東伯は近年、めざましい経済発展を遂げ、所得も向上したが、そのために麻薬密売組織の争いも激化したようだ。
なお、市別の殺人発生率1位は、人口6千人の小さな町だが13年は13人(10万人当たりでは204人)が殺されたペルナンブコ州ブレジョ・ドス・サントス。20年前起きたオリヴェイラ家とヴェス家の喧嘩以来、両家関係者が100人以上殺されている。