サンパウロ州などでの水危機を受け、従来は資金援助のみとの姿勢を貫いていた連邦政府が節水キャンペーンを行うと12日付エスタード紙が報じた。
水の供給確保などは州政府の管轄だが、渇水問題は電力供給や農業生産にも関係するため、節電キャンペーンも並行して行う意向だ。
11日は、官房長官や企画相、国防相、国内統合相、自治相、農務相、鉱山動力相が、干ばつと食糧生産に関する会議も開いた。カチア・アブレウ農務相は「灌漑用水が涸れる事はない」とした上で、干ばつは季節的なものでカオス(混沌とした状態)は起きていないとの見解を示した。
また、サトウキビの8割を生産する自治体の66・04%では1月の農地の湿潤度が平年以下。同様の条件の生産地はカフェで90・98%、小麦で39・25%、大豆で52・47%、トウモロコシで53・78%とも報告された。
大サンパウロ市圏での計画断水は連邦政府も回避不能と見ているが、サンパウロ州政府は2月の降水量などを見て開始時期などを決める意向だ。現時点では、計画断水はカンタレイラ水系のみに依存する地区に限定される可能性が強い。
州政府は既に、病院や刑務所、警察署などでの断水を回避するため、通常の配水管より太く、各地区の貯水タンクに24時間水を送り込む管から直接給水できるようにする作業を開始。同様の工事が行われない優先施設には給水車を派遣する。
また、カンタレイラ水系のみに依存する地区を減らすため、アウト・チエテ、リオ・クラーロ、グアラピランガの3水系から水を引き込む設備拡張作業も継続している。