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カーニバルと共に生きて=礎を築いた先人の述懐

 彼らは先駆者として、サンパウロ・カーニバルの扉を開いた。人生の歴史がほぼそのままサンパウロ・カーニバルの歴史と言ってもいいほどの彼らはいまや、サンバの守り神ともいえる存在だ。
 84歳のカルロス・アルベルト・カエターノさんは、サンバと共に生きてもう70年になる。サンパウロ州ベテランサンビスタ文化独立協会会長でもあるカルロスさんは、サンパウロで最も古いエスコーラの一つ、〃ウニードス・ド・ペルーシェ〃の創設者の1人だ。
 「子供の頃からカーニバルは人生の一部だった。ここまで続けてくるのは大変だったよ」と語る。カルロスさんはまだ市内のサンジョアン通りでカーニバルのパレードが行われていた頃から、サンバを演奏する初期のブロッコの一員として、カーニバルに参加。今のようなサンバ専用の会場〃サンボードロモ〃を獲得するまでは多くの戦いがあった。
 「今ではカーニバルはエスコーラ同士の競争になってしまったが、自分はサンバを愛してるからこそ現役を続けている。会場に立つ度に子供の頃からこれまでのことの全てを思い出す。この感情は説明がつかない」とカルロスさんは語った。
 ヴァイ・ヴァイと共に80年、89歳のアダマンチノ・ジョゼ・ピント・バローザさんこと〃セウ・ネネ〃は、自身の過去を振り返り、役目を全うした気持ちでいる。
 9歳の時、父親にビシーガ地区でのカーニバルの列に参加する事をせがんで殴られたのがカーニバルにまつわる最初の思い出だ。
「カーニバルが与えてくれた喜び全てに感謝しているよ。若いときのような力は無いけれど、サンバこそが私の幸せだから、カーニバルにはなんとしても参加するのさ」とセウ・ネネは語る。
 72歳のエドゥアルド・ジョアキンさん(セウ・ダジーニョ)も同様の情熱をもって、1953年創設の〃カミーザ・ヴェルデ・エ・ブランコ〃について語る。エドゥアルドさんはカーニバル参加歴、55年だ。「私達はカーニバルの文化の一部を創るのを手伝い、ブラジル文化に大きな遺産を残していく。今の若者が喜びの歴史を継承していってくれるといいね」と語った。(14日付アゴーラ紙より)