日伯両国が外交関係樹立120周年を迎えるにあたり、サッカー元日本代表監督のジーコ氏(61)と日本で活躍するタレントのマルシアさん(46、三世)が親善大使に任命された。委嘱期間は今月12日から12月31日まで。
ジーコ氏は1991年、住友金属工業蹴球団(現鹿島アントラーズ)に入団するため初来日。93年に発足した日本プロサッカーリーグの礎を築いた。02~06年には監督として日本代表を率い02年アジア杯優勝、06年ドイツW杯に出場した。現役時代はブラジル代表として78、82、86年のW杯に出場している。
今月14、15日に行なわれたサンパウロ市サンバカーニバルでは、1部の上位チーム「アギア・デ・オウロ」のパレードに登場した。4位に終わったとはいえ、最後尾の山車に乗り、テーマである「日伯外交樹立120周年」を体現する存在として扱われていた。
マルシアさんは69年2月、サンパウロ州モジ市生まれ。89年にシングル「ふりむけばヨコハマ」でデビューして以来、歌手、タレント、女優としても活躍している。昨年11月には故郷で行なわれたコクエラふるさと祭りに訪れ、母・芳子さんや友人らの歌唱ステージに声援を送っていた。
本業では、5月に行なわれるミュージカル「GARANTIDO ブラジルの風は僕らに絆を取り戻してくれた」(企画・制作=TSミニュージカル・ファンデーション、演出・振付=謝珠栄)に出演することが決定。
アマゾンのアカラー(現トメアスー)移住地を舞台に、41年の真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争によって、時代の荒波に呑み込まれていく日系人たちの姿を描く。外交120周年の記念事業として、東京芸術劇場と兵庫県立芸術文化センターで公演する。
19日には製作発表が行なわれ、公式サイト(www.dstage.jp/garantido/)で動画配信されている。マルシアさんは、「1920年代に祖父母が移民した私にとって人ごとでないテーマ。移民した日本人それぞれにドラマがある。歌、芝居、ダンスという総合芸術でお届けしたい」と抱負を述べた。