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18日に始まった工事について説明するアウキミン知事(Diogo Moreira/A2 FOTOGRAFIA)
18日に始まった工事について説明するアウキミン知事(Diogo Moreira/A2 FOTOGRAFIA)

ビリングスから取水開始=浄化能力に不安残しつつ

 ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事が大サンパウロ市圏の水確保のため、ビリングス湖の水をリオ・グランデ水系に引き込む事を決めたと20日付フォーリャ紙が報じた。
 ビリングス湖は、アンシエッタ道を南下する車から見ると左右の水の色が違う。リオ・グランデ水系に繋がる左側の水は濃い青だが、ピニェイロス川からの水や湖岸に不法侵入した人々や工場が垂れ流す汚水や、過剰に流れ込んだ有機物質により喪が大量繁殖している右側は緑っぽい色をしている。
 サンパウロ州政府は1980年代、リオ・グランデ水系に汚染水が流れ込むのを防ぐためにアンシエッタ道脇に堰を設けたが、今回は、カンタレイラ水系深部の水を汲み上げるのに使うのと同様の大型ポンプで、堰の内側に汚染水を取り込むという。
 ビリングス湖の東側部分はリオ・グランデ水系に繋がっている上、その先でリオ・クラーロ水系にも繋がる。更に、アウト・チエテ水系に繋げるための水路も5月までに完成する予定だ。
 そういう意味では、今回の取水はリオ・グランデ水系以外の水系も無縁とはいえない。しかも、同湖の水からは大量の大腸菌やその他のバクテリア、重金属類まで検出されており、各処理場ではこれまで以上に念入りな浄化作業が必要となる。
 サンパウロ州水道公社(Sabesp)は「現在の処理場ならビリングス湖の水も浄化できる」と言うが、18日に始まった、スザノ市を流れるグアイオ川をアウト・チエテ水系の貯水池に引き込むための工事とは違い、関係者の不安が大きい。