サンパウロ州水道公社(Sabesp)のジェルソン・カウマン総裁とパウロ・マサト理事が25日、サンパウロ市議会の議会調査委員会で、ブラジル技術企画協会(ABNT)の基準以下の水圧で水を供給していた事を認めたと26日付伯字紙が報じた。
未曾有の水不足に直面した14年、同公社が水圧を下げているとの告発は上半期からあったが、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は同年12月も「同公社は厳密に基準を守っている」と発言し、州上下水道エネルギー規制機関(Aresp)が疑問を呈していた。
証言によると、水道公社は水源の枯渇を防ぐため、最低10メートルの高さまで押し上げる水圧維持というABNTの基準遵守を放棄し、高所などでは1メートルの水圧しか保証出来ない地域もあるという。
同公社は今年1月、水源確保のために大サンパウロ市圏では午後~翌朝に水圧を下げる事を正式に発表したが、実際には水圧を調整する機器のない地域は送水管を完全に閉めており、告発されていた。
ケウマン総裁は水圧が基準以下であった事を認めた上、「集団の権利が脅かされている状況下では個人の権利は相対的に評価されるべきだ」と釈明した。
同総裁らは、3月末の貯水率を見て判断するとされていた計画断水(ロディジーオ)について、実施の可能性は低くなったとも発言。これは、ビリングス湖の水をグアラピランガ水系とリオ・グランデ水系に引き、更にアウト・チエテ水系にも繋ぐ計画などが予定通りに進む事が前提で、工事の進捗度などにより、計画断水が実施される可能性が残っている。
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