中銀の通貨政策委員会(Copom)が4日、経済基本金利(Selic)を0・5%ポイント引上げて年12・75%とする事を決めたと5日付伯字紙が報じた。
ジウマ大統領再選後は4回連続の引上げで、第1期政権初年の11年8月に同金利を切り下げ始めた時の水準に戻った。
今回の基本金利引上げはドル高レアル安と電気代調整などでインフレ昂進中の決断で、基本金利からインフレ率を引いた実質金利(5・28%)は中国の3・18%、インドの3・17%を上回り、世界一となった。
基本金利の引上げは、企業や個人が融資を受けたりローンを組んだりする時の返済金利や国債の利息の計算にも影響し、投資や消費の意欲減退や経済活動の抑制に繋がる可能性がある。だが、通貨の流通量や消費意欲が抑えられれば物価上昇圧力が殺がれるため、インフレ抑制のための天下の宝刀ともなる。
ジウマ政権での基本金利は11年8月以降、景気刺激のため7・25%まで切り下げられたが、経済効果はさほど得られず、景気はむしろ減退。13年4月以降はインフレ抑制のための引上げも始まり、再選時の基本金利は年11%だった。この間、景気後退(リセッション)も起きている。
2月の公式のインフレ指数(IPCA)や12カ月の累積指数は6日に発表される予定だが、2月15日までのインフレ指数(IPCA‐15)が1・33%、12カ月の累積は7・36%だった事や、電気代が50%近く引上げられた事、悪天候による食料品の値上がりなどを受け、今年のインフレは7・8~8%との予想さえ出ている。