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「西風会」が機関紙発行=自由闊達な論壇の場に

 2013年度にっけい文芸賞佳作受賞者の中島宏さんらが主宰する意見交流会「西風会」が、先月、機関紙『西風第1号』を発行した。全8章172ページ、100部発行。
 会名の「西風」は、ブラジル農業界で言う乾季から雨季に変わる時期の春一番の風を意味する。以前は「土曜勉強会」として定期的に集まり、任意のテーマで意見を交流していたが、出版にあたり会名が付けられた。機関紙の巻頭言(中島宏)には、「待ちに待った雨と共に希望と可能性を運んでくれる。未来への気持ちを込めた」と記されている。
 今回の内容は「ブラジル日系社会の現状からその将来を予測する」(宮尾進)、「『格言』と『ジョーク』」(日比野健一)、「ブラジルの贈与制度―民法の規定より」(古杉征己)、「半田評伝にみる 鈴木貞次郎のこと」(田中慎二)など。早川鉄三、武田真一、田中規子各氏ら8人が寄稿した。
 サンパウロ人文科学研究所顧問の宮尾進さんは、「日系社会の研究にこだわった物ではない」と幅広いテーマを扱う点を強調し、「今年中に第2号を出したいね、という話もしている」と語った。
 それぞれの筆者が10部ずつ所有している。問い合わせは人文研・宮尾さん(11・3277・8616)まで。