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進まぬサンパウロ市のバス整備=12年前の計画が未完成=現実的なシステム見直しも

 サンパウロ市では、2003年にマルタ・スプリシー元市長(労働者党・PT)が新しい公共交通システム構築計画を始めて以来、2013年までに完成するはずだった工事の大部分が、納期から2年経った現在も終わっていないと10日付フォーリャ紙が報じている。
 全長300キロのバス専用レーンの建設は83キロ、30のバスターミナルの新設は15カ所に止まり、350カ所のバス停に至っては3カ所しか完成していない。
 フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(PT)は、6月までに交通システム再構築計画の公開入札の実施を明言している。
 2003年に、当時のマルタ・スプリシー元市長が計画した交通整備計画が入札され、向こう10年にわたり工事を担当する会社が決まった。当初は落札した企業がバスターミナルなどの建設も行うと予想されていたが、契約の中で義務付けられていなかったので、基礎的な構造部分の建設は遅れた。
 マルタ元市長は在任中に300キロのバスレーン、30カ所のバスターミナル建設の公約のうち、71キロのバスレーンと6カ所のバスターミナル建設だけを果たし、残りの事業はジョゼ・セーラ(民主社会党・PSDB)、ジルベルト・カサビ(社会民主党・PSD)の両市長に引き継がれたが、その後の工事のペースは大きく減退し、2005~12年の間は、新たに建設されたのは11・8キロのバスレーンと9カ所のバスターミナルのみだった。
 2003年の入札時点では落札した企業もターミナル建設に関与することになっていたが、契約書に署名するまでの間にその条件が変わった。
 ターミナル工事は特に期限を定めない事業に位置づけられたため、確定した約束が無い事業はすべて、道半ばで目標が頓挫した格好となった。
 工事計画が進まないことを受け、サンパウロ市はより現実的な計画に沿った入札を見越している。
 2012年に選出されたハダジ現市長は150キロのバスレーン建設を公約した。今回の資金は民間の建設会社からではなく、連邦政府予算から出るが、工事は遅れ、既に来期持ち越しの話も出ている上、財政調整で連邦政府からの資金削減の可能性も出始めている。