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サンパウロ州=公立校の学用品配布に遅れ=12人に1人が受け取れず

 新学期から1カ月以上過ぎたが、サンパウロ州、サンパウロ市の公立校の生徒の12人に1人にあたる39万人が学用品の支給を受けておらず、親達が自腹で買っていると11日付フォーリャ紙が報じた。
 サンパウロ州立校で学用品を受け取ってない生徒は8・5%に上る。州教育局によれば、学用品セットの入札で問題があり、配布が遅れているという。
 一方、サンパウロ市の市立校では5%の生徒が受け取れていないが、同市教育局によると、この数値は例年より低いという。
 州立校での学用品配布が遅れているのはリベイロン・プレット市、サンパウロ市、ソロカバ市、ジュンジャイー市などだ。6日の時点では、6~9年生中心に23万6253人分の配布が滞っている。
 「誰も学用品セットがいつ届くのか把握しておらず、答えられないことが問題だ」と語るのは、ベベドウロ市の保健機関職員のエライネ・クリスチーナ・シルベイラさん(35)だ。月収850レアルの彼女は、両親と友人の助けを得て、8歳と15歳の子供の学用品をそろえたという。
 教師が自腹で子供に学用品を配る例もあり、リベイロン・プレットのカロリーネちゃん(10)は「皆が鉛筆やノートをせがむから、結局、先生があげてるわ」と語る。
 サンパウロ総合大学リベイロン・キャンパス研究員のセルジオ・コダト氏は、学用品の不足は学習の遅れだけでなく、生徒の学習意欲の低下や親達の不信感に繋がるとし、「この問題には何の責任も無い現場の教師が対処することになってしまっている」とした。