現在、ブラジルのニュースを独占し、本紙でも連日報道中のラヴァ・ジャット作戦。ブラジル最大の石油企業ペトロブラスのスキャンダルに加え、与党政治家が大量に関与していたという疑惑に多くの国民が嘆いているが、それは最高裁前長官のジョアキン・バルボーザ氏もしかりだ。
バルボーザ氏と言えば、2012年にメンサロン事件の裁判で報告官として与党・労働者党(PT)の有力議員らを、ブラジル政治史上初の大規模な実刑判決に導いたことで国民から英雄視された人物で、一時は「次の大統領候補に」との呼び声も高かった。
その後、最高裁長官に就任して以降も、メンサロン再審で厳しい立場を取り続け信頼を勝ち得ていたが、14年6月、突如として長官辞任を発表し、表舞台から消えていた。
そのバルボーザ長官は11日午前3時ごろ、ラヴァ・ジャットに関する下院の議会調査委員会(CPI)の模様をテレビ中継で見た後に、次々とツイッターでメッセージを発した。
そこには次のように書かれてあった。「1789年5月、ベルサイユ宮殿での全国三部会での奇妙な会議の際、革命は予想されていたか」「1889年11月15日、テオドロ・ダ・フォンセカ陸軍最高司令官はブラジル帝政の崩壊を考えていたか」「1914年、ロシアのボリシェヴィキたちは第一次世界大戦がロシア内の革命を容易にすると考えていただろうか」とツイートした。
さらにバルボーザ氏は「このようなことを書いたのは、ブラジル人には、歴史は繰り返すこと、過去の歴史から学ぶことがあると考える人が少ないからだ」と書いた上で、これらのツイートを流した動機について、「昨日、全国の多くの人がそうしたように議会専門チャンネルを見てショックを受けたところだ」と語った。そして「国家というのもは、政党の思うがままにされるために作られたわけではない」と締め括った。
10日のCPIでは、ペトロブラスの元サービス部課長、ペドロ・バルスコ氏が、2010年のジウマ大統領の大統領選挙の際に、彼自身が30万米ドルを受け取ってPTの中央会計だったヴァカリ・ネット氏に支払ったとの供述を行っていた。
15日には、社会活動団体が呼びかけたジウマ大統領の罷免を求める抗議活動が、全国規模で行われることになっている。これが果たしてバルボーザ氏の示唆したような、連邦政府の「終わりのはじまり」になるか、注目されるところだ。(11日付フォーリャ紙サイトなどより)
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