ブラジル地理統計院(IBGE)は11日、最新の国際基準に準拠した方法で00年~11年の国内総生産(GDP)を見直した数値を発表した。この間のGDPの平均成長率は3・5%から3・7%に上がったが、11年に限ると2・7%だった成長率が3・9%に急伸したと12日付伯字各紙が報じている。
従来は支出に分類されてきた鉱物資源の試掘や評価、ソフトウエア開発などの調査開発費を投資とみなすなどの算出法変更で、GDP成長率は大幅アップが期待されていたが、10年は7・5%だった成長率が7・6%に上がるのみなど、多くの年は微増に止まった。しかし、11年は前年比2・7%増が3・9%増と大きく上昇した。
コンサルタント会社LCAは、第1期ジウマ政権の平均成長率は1・6%が2・5%になると試算する。また、GDPの1・2%と設定された15年の基礎的財政収支の黒字目標は、GDPの増大により、663億レが700億レ以上になると見ている。MBアソシアードス社も、連邦政府は当初の計画より少なくとも50億レ以上歳出を切り詰めなくてはいけないと見積もっている。
一方、Safra銀行のチーフエコノミスト、カルロス・カワル氏は、今年の基礎的収支の黒字目標は変わらないとしている。「レヴィ財相の決めた660億レという黒字目標額は、GDPに対する割合ではなく、法律で絶対額として定められており、GDPが変動しても変わらない」とした上で、「景気後退傾向は明らかだ。数字をいじってもその大筋に変化は無い」と述べた。
他方、GDP成長率の見直しを受け、労働者組合は同数値に基づいて算定される最低賃金も引き上げるよう求めている。組合側は、11年の成長率が従来の2・7%から3・9%に見直されたなら、13年の最低賃金も678レから686・31レに見直されるべきとし、11月に予定されている12、13年の成長率の見直し後、14、15年の最賃調整分と共に16年の最賃に上乗せするよう求めている。緊縮財政を進める政府にとって、最も好ましくないタイミングで突き上げを受けた格好といえる。
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