ジウマ大統領は11日、15日に全国で計画されている大統領に反対するマニフェスタソンを前に、連邦政府内のアルチクラソン(政局調整)を行うメンバー編成を変えることを発表し、これまでの労働者党(PT)一辺倒だった主要閣僚会議に民主運動党(PMDB)をはじめとする他の連立与党を加える方針を示した。12日付伯字紙が報じている。
ジウマ大統領が新たなアルチクラソン要員として指名したのは元サンパウロ市市長でもあるジルベルト・カサビ都市相(社会民主党・PSD)、アウド・リベロ科学技術相(ブラジル共産党・PC Do B)、エリゼウ・パジーリャ民間航空庁長官(PMDB)の3人だ。
今政権でのジウマ大統領は、アロイージオ・メルカダンテ官房長官らPTの主要閣僚6人との会議で重要案件などを扱ってきた。だが、そのやり方はエドゥアルド・クーニャ下院議長を筆頭とする議会の不満や反乱を招いており、ミシェル・テメル副大統領からも「ジウマ大統領は重要な決定を行う際に(連立与党の最大パートナーである)PMDBにも声をかけず、PT人脈だけで決める傾向がある」との苦情を受けていた。
今回の決定は、こうしたPMDBからの不満の声や8日の政見放送中の抗議行動、9日のサンパウロ市での公式行事での野次などの後、ルーラ前大統領が10日の大統領官邸での会食前後に行った助言などを基にしたものだ。
この際の助言を受け、これまでアルチクラソンの中心と目されていたアロイージオ・メルカダンテ官房長官は政府内の業務のみに専念することになる。ルーラ氏は会食前にメルカダンテ氏の調整能力に対する不満を表していたが、ジウマ大統領に同氏解任の意図はなく、会食後に行ったPTの首脳会議で同氏に自身の今後の意向を伝えたという。
また、メルカダンテ氏と共に議会との関係を調整する役を担っていたペペ・ヴァルガス大統領府政局調整長官に至っては、10日の会合にさえ呼ばれておらず、解任されるとの見方が強まっている。後任は、ラヴァ・ジャット作戦での疑惑の政治家リスト入りを免れた、前下院議長のエンリケ・アウヴェス氏(PMDB)の就任が有力視されている。
ジウマ大統領は、アルチクラソンの任務を負うメンバーに3人の閣僚を加えて連立与党や議会との関係改善に努めるほか、不穏な動きや批判の只中に置かれることを避けるため、ネット上での動きを監視し、社会活動団体へ接近する意向も固めている。
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