ジウマ大統領は16日の改訂民事訴訟法承認式で、学生融資基金(Fies)の運営のあり方に誤りがあったと認めたと17、18日付伯字各紙が報じている。
Fiesは1999年設立で、ルーラ政権は最終年の2010年、私立大学への入学者を増やす目的でその制度を大きく変えた。融資返済時の利息は年6・5%から3・4%に引き下げられ、1年中いつでも融資を受けられるようになったため、既に入学し、授業料を払っていた学生の利用も容易になった。
ジウマ大統領がFiesの政策に誤りがあったと認めた翌日、ネルソン・バルボーザ企画予算管理相も、これまでの連邦政府のプログラムは修正を加えなければならないとし、「Fiesの融資を受ける条件には修正が必要」と述べた。
マルタ・スプリシー上議(労働者党・PT)はジウマ大統領の政策を批判し、「自力で学費を払えていた学生に、多くの大学がFiesに申し込むように仕向けた。融資資格の審査にとどまらず、多くの失政が重なった」と語った。
2010年から14年にかけてのFies利用者は7万6千人から190万人に増え、融資額も13倍になったが、03年~09年は年平均5%だった私大学生の増加率は、10年~13年は年平均3%に低下した。
ジウマ大統領は昨年12月にFiesを利用できる人数を制限する方策を打ち出し、全国高等教育試験(Enem)の点数や小論文が0点でないことという条件も明らかにした。
一方、Fiesの先行きが不透明なため、サンパウロ州の私大は教員達との年に1回の給与調整を遅らせる事を決めた。サンパウロ州私大組合(Semesp)は、政府が行う財政引締め策の規模やFiesへの影響はまだ把握できておらず、財政面の再検討が必要だとしている。
私大側は今月末に予定されていた教職員組合との会合をキャンセルした。新しい交渉日程は決まっていない。サンパウロ州には6万3千人の私大教授がおり、ここ2年間は3月にインフレ率+1%の給与調整が行われていた。教職員側は、各大学は給与調整ができないほどFiesに依存していないはずだと反発している。