フェルナンド・ハダジサンパウロ市市長(PT・労働者党)の目玉政策の一つである自転車レーン拡大に司法当局が待ったをかけたと、20日付伯字各紙が報じている。
19日に出された予備判決では、パウリスタ大通りの中央分離帯で継続中の工事のみが「事前の調査も充分になされており、中断すると交通に支障が出る」との理由で、続行が許された。他のレーンに関しては、検察側の「計画不十分につき工事の停止が妥当」の論拠が採用された。
ハダジ市長は2014年末までに総距離205キロの自転車レーンを設置しており、今年中にそれを400キロに伸ばす事を公約に挙げている。自転車レーンの設置は地下鉄建設と比べて格段に安く済むために、同市長にとって「お値打ちな公共交通への投資」という一面もある。
ハダジ市長は今回の判決を、検察側による「入札時に不正があった」との主張を退け、パ大通りの工事の継続は認めていることから「妥当なもの」と認め、さらに市側は工事再開のために必要な全てのデータを提出するとした。
今回の予備判決に反対したサイクリスト達は、19日昼に自転車レーン設置に意義を唱えたカミーラ・マンシュー・ダ・シルヴェイラ検事に直接抗議し、同日夜にはパ大通りで抗議活動を行った。
自転車レーンの拡大は、多くの専門家の賛成を受けて行われたが、実施にあたり、需要の少ない所にありあわせの工事をして、交通安全の妨げになったり、歩行者を危険に晒すなどの批判が寄せられ、特に住民や商店主から、車の通る道や駐車スペースが奪われたとの抗議もあった。
ダッタフォーリャの調べでは、昨年9月には80%だった自転車レーンへの支持率は、今年2月には66%に下がり、反対は14%から27%に上昇した。
サンパウロ総合大学大学院卒の交通工学技師、オラシオ・アウグスト・フィゲイラ氏は、自転車レーンを養護しつつも、「市役所は歩道と公共交通の整備を優先させるべき。バスレーンの方が必要な場所に自転車レーンが設置されている事例もある」と語る。