2012年、サンパウロ市のサンパウロ美術館で「カラヴァッジオ展」が広かれたとき、数時間待ちの長蛇の列が並び、一躍「ルネサンス絵画ブーム」が起こったが、15年は20世紀のスペイン絵画のブームが起こるのではないかと言われている。
24日、サンパウロ中央部にあるブラジル銀行文化センターで「ピカソとスペイン現代絵画展」がスタートした。これは20世紀最大の画家として誰もが知っているパブロ・ピカソの作品45点をはじめ、同世紀の世界の美術界を牽引したスペインの画家らの作品約90点を紹介するものだ。
20世紀のスペイン絵画と言えば、ピカソをはじめ、サルヴァドール・ダリ、ジョアン・ミロなど、目に見えるものをそのまま具現的に描くのではなく、作者の世界観をそのまま描いた独創的な世界観で知られている。このグループの作品はオリジナリティという点で世界の美術史においても異彩を放っており、「抽象絵画」とも「シュルレアリスム(超現実)」とも呼ばれる作風は今日でも愛されている。
今回の展覧会は、ピカソの代表作として有名な「馬の頭」をはじめ、彼の最高傑作の一つであるスペイン内戦に対する怒りを描いた「ゲルニカ」などを通して「ピカソの作品を理解すること」を主たる目的としており、彼と同時代、もしくは彼が影響を与えたスペインの画家36人の作品も展示される。
オープニングとなった24日は、サンパウロ市長のフェルナンド・ハダジ市長が冒頭に挨拶を行うなど、この展覧会の価値の大きさを改めて示した。ハダジ市長自身もその後、主催者側のスタッフによる絵画の説明に耳をすまし、熱心にピカソの名作に見入っていた。(22日付アジェンシア・ブラジルより)